ハリーがロンと一緒にホグズミードに行くことを嫌がったので結局ハリー、ハーマイオニー、クリスティーヌの3人でホグズミードに行くこととなった。
と言ってもハリーは寮で透明マントを被っていたので他の人から見たらハーマイオニーとクリスティーヌの二人組にしか見えなかった。
冷えた体を温めようとハーマイオニーが提案したので三本の箒に入った。
空いた席を探してパブの中を移動する途中、フレッド、ジョージ、リー・ジョーダンと一緒に座っているロンを見かけた。
隅の席に腰かけるとすぐにハーマイオニーがバタービールを持ってやってきた。
「クリスティーヌがいてくれて助かったわ。ハリーだけじゃ見えないから探すのに苦労したかもしれない」
そう言いながらハリーの居るであろう方向ににバタービールを置く。
『ありがとう、ハーマイオニー』
クリスティーヌはお礼を言いながらバタービールを一口飲むと冷えた体がほんのりと温かくなった。
バタービールのジョッギで手を温めて居るとハーマイオニーはノートを取り出した。
『ハーマイオニー…そのノートは何?』
「S・P・E・W!しもべ妖精福祉振興協会の会員リストと活動内容を記しているの!わたし毎晩談話室で勧誘活動してるけどクリスティーヌも入らない?」
「ハーマイオニー、いつになったら諦めるんだい?」
「屋敷しもべ妖精が妥当な給料と労働条件を得たとき!」
ハリーは呆れた様に言ったが、ハーマイオニーは声を殺して言い返した。
『あら、ハグリッドとムーディ先生よ!』
ハーマイオニーが学校の厨房に侵入する方法を練ろうとしたちょうどその時、クリスティーヌが2人に声をかけた。
「元気か?ハーマイオニー、クリスティーヌ?」
ハグリッドは大きな声を出した。
ハーマイオニーはそれに対し、こんにちはとにっこり挨拶をする。
ムーディはテーブルを回り込み体をかがめた。
まるでハリーがそこにいるのを知っているかの様だった。
「いいマントだな、ポッター」
ムーディが囁くとハリーはうろたえた。
「先生の目ーあの、見えるー?」
「ああ、わしの目は透明マントを見透かす」
ムーディは静かに言うと、今度はハグリッドがハリーに近づいた。
ハリーにしか聞こえないような低い声で囁いたのでクリスティーヌには聞こえなかった。
ハグリッドは身を起こすと大声で、「ハーマイオニー、クリスティーヌ、おまえさん達に会えてよかった」と言ってウィンクして去っていった。ムーディも後についていく。
「ハグリッドったら、どうして真夜中に僕に会いたいんだろう?」
ハリーが驚くとハーマイオニーは行かない方がいいのでは?と言ったがハリーの耳には入っていないようだった。
それから程なく3人は三本の箒を後にしてホグワーツへと戻った。