ホグワーツ特急に乗ってロンドンから城を目指して北へ進む。
その道程は長いようで早い。
クリスティーヌはハリー達と同じコンパートメントにいた。
「今年はホグワーツで何か起こるみたい。クィディッチ・ワールドカップの時、バグマンも何が起こるか話したがっていた」
ロンは不満げに話す。
『そうね…。何か催し物をするみたいね。じゃなきゃドレスローブなんて新学期のリストに載らないでしょ?』
クリスティーヌが言うと「しっ!」とハーマイオニーが突然唇に指をあてて、隣のコンパートメントを指差した。
耳を澄ますと、開け放したドアを通して聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「…父上は本当は、僕をダームストラングに入学させようとお考えだったんだ。でも、母上は僕をそんな遠くの学校にやるのを嫌がったんだ。父上がおっしゃるには、ダームストロングでは『闇の魔術』に関してホグワーツよりずっと気の利いたやり方をしている。生徒が実際に習得するんだ。僕たちがやっているようなケチな防衛術じゃない…」
ハーマイオニーが立ち上がってコンパートメントのドアを閉める。
「本当にそっちに行ってくれたら良かったのに」
ハーマイオニーが起こったように言う。
「ダームストロングって、魔法学校なの?」
ハリーが聞くと
「そうよ」とハーマイオニーが鼻を鳴らして言った。
「しかも、酷く評判が悪いの。『ヨーロッパにおける魔法教育の一考察』によると、あそこは『闇の魔術』に相当力を入れているんだって」
『何処にあるのかしら?』
クリスティーヌが言うと
「誰も知らないんじゃないかしら。でも、私、ずーっと遠い北の方にあるに違いないって思う。とても寒い所。だって制服に毛皮のケープがついているもの」
ハーマイオニーが応える。
「あー、マルフォイを氷河から突き落として事故に見せ掛けたり簡単にできただろうなぁ。残念だ…」
ロンが言うと、ハーマイオニーはロンの爪先を踏んだ。