君が天使だったら良かったのにね。そしたらもっと上手く笑えたのにさ。ほら、その口角がまるで涙黒子みたいだよ。バクバクしてるんでしょ?
心臓が。
演じられたら良かったのにね。ピエロになれたなら君は価値を見出だせたのにさ。

「ぼくって、道化者だね。ピエロなんて小洒落たもんじゃなくて、ただの道化者だよね。」

ほら、その涙のマークなんてさ結局、臆病が臆病を確認する為の、証だよね。君は操られる事でしか、生きる理由を見つけ出せない道化者なんだよ。

「神様がいたらいいのに。そしたらピエロになりたいですってひざまずくのに。」

君はいつだってそうだよね。誰かに存在価値を放り投げる事で生きてきたんだ。神様なんて幻想なのに。人間という"道化者"が作り出した虚像でしかないのに。君は醜いね。君は汚いね。

「うるさい。僕は道化者じゃない。ピエロなんだ。」

ほら、またそうして口角を涙黒子みたいに吊り上げて、涙のマークを見せ付けようとする。君はやっぱり、ピエロになれない道化者だよ。可哀想にね。君が天使だったら良かったのにね。そしたらもっと上手く笑えたのにさ。




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