純粋な愛に染まる

「あら、マルフォイ。何してるの?」

遠い昔この場所の住人が造ったと思われる、イングリッシュガーデンのほど近く。白雪のような肌の青年ドラコ・マルフォイは1人佇んでいた。

「...あぁ、グレンジャーか。いや、7年も此処にいるのにこんな場所があるとは知らなくてな」

ほぼ完全に野生化した薔薇に顔を近づけているマルフォイは、とても穏やかな顔をしている。

「そういえばいつか、あなたに薔薇の花束を貰ったわね」
「そうだな、君にぶつかってしまったお詫びの薔薇だった」

覚えていたのね。あの時の気持ちと彼も覚えていたという嬉しさが相俟って、自然と顔が笑顔を作るのが分かった。

「あの時の薔薇、何色だったかは覚えている?」

...賭け、だった。ホグワーツを卒業する前の最後の賭け。ネビルに教えてもらった花言葉。あの気持ちは、私の勘違いだったのかを確かめたくて。
マルフォイはふと手折った薔薇を一輪持ち、私に向かって歩みを進めた。

「...これと同じ、白い薔薇」

私に白い薔薇を差し出して、少し悲しそうに笑うマルフォイにあの時のからかうような笑みはなく。

「「“私は貴方にふさわしい”」」

「知ってたのね」
「当たり前だろう、僕が選んだんだからな」

「もうすぐ、卒業よ。私たちはホグワーツを去らなければならない。それでも私がこの薔薇を受け取ってもいいの?」

この薔薇を受け取るということは、すなわち。

「...受け取ってくれるか、グレンジャー」

彼が私にふさわしいことを認める印。

「ありがとう、私はあなたにこれを」

私の手からあなたに。深紅の蕾を。

END



( 卒業の折、ご両親に挨拶に行こうかな )
( 私もあなたのご両親にご挨拶しに行くわ )
( 流石だな、、ハーマイオニー )
( 当たり前よグリフィンドールだもの! )


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