残念ながらベタ惚れ
( 初々しい恋10題 )

ハーマイオニーは悩んでいた。
それは恋人であるドラコが人目も憚らず、どこでも密着してくる事であった。今もそんなドラコから逃げているところだった。

「はぁっ...はぁ、、ここまで来ればもう」

元々、嫌悪感から始まったふたりの出会いは、恋愛に発展するとそう簡単に冷める事はなく、今ではドラコがハーマイオニーにぞっこんなのであった。恋愛経験と言えるものがほとんどなかった彼女は、人前でべったりする事に抵抗があり、オープンすぎるドラコに順応しきれないでいた。

「あぁ、こんな所にいたのか。君は本当に本が好きだなぁ」
「否定はしないわよ。本はいいもの」
「たまには僕の相手もしてくれよ」

また、だ。本を抱えたハーマイオニーは本棚と壁際に追い詰められてしまった。ドラコはうっすらと頬を染め、にっこりと微笑んでいる。

「人前ではやめてって言ったわよね」
「人前じゃなきゃいいのか?」
「それは...」
「なぁ、グレンジャー。ふたりで愚かになろう」

そこは、夕暮れの図書館。他の学生や教員たちは夕飯を食べに大広間にいる。そこにいるのはドラコとハーマイオニーふたりだけ。
ドラコの唇はハーマイオニーの首筋にうずまった。


END


( おおっぴらな恋より秘密な恋の方が燃えるわよ )
( ほ、本当か!?!? )
( 常識よ、こんなの )
( 知らなかった!!!!! )

パンジー→ドラコ→パンジー→ドラコ


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