君はひかり('15 ドラコ誕)
「貴方との出会いに、」
カラン、と彼女の葡萄ジュースが入ったグラスが鳴る。
「あぁ、」
僕の持つグラスの中のシャンパンがゴールドにきらめいた。
「35回目のバースデーね。おめでとう、ドラコ」
僕の子供を宿した妻が楽しそうに笑っている。
「ありがとう。君も、僕と出会ってくれて、ありがとう」
もう、光指す日向を歩む気はなかった。光を見つめることさえ、諦めていた。己の身体に証を刻まれてから、希望を憎むように教えられてきたから。そんな僕の真っ暗な人生に、光を与えてくれたのが、
「君だ、ハーマイオニー」
「え、なぁに?」
「本当にありがとう、愛してるよ」
僕よりも誕生日が早い妻は、35だとは思えないような、幼い表情で頬を染める。
「わたしもよ、愛してるわ。これからもずっと」
END
( あっ、今おなかを蹴った )
( え!本当かい? )
( ふふ、パパにおめでとうって言ってるのね )
( パパかぁ、嬉しいなぁ )
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