Happy Birthday('15 ロン誕)
「「「ロン!ハッピーバースディ!!!」」」
今日は3月1日。ウィーズリー家の六男坊ロンの誕生日。それを祝って、獅子寮のテーブルは彼の為にケーキやらプレゼントやらで賑わっていた。両親からは、ロンの好物が入ったバスケットが届き兄妹からは箒の手入れキット、ハリーからはクィディッチの公式戦チケットなどなど、たくさんのプレゼントで囲まれたロンは気分が有頂天になっていた。
「もう幸せ過ぎてどーにかなっちゃいそうだ!みんな、ありがとう!」
「ロンったら、大袈裟ね〜」
ハーマイオニーは緩みきったロンの顔に呆れながらも誕生日なら仕方ないわねと、笑う。にこにこと嬉しそうに話すロンは、獅子寮の友人たちに声を掛けられ蛇寮からのある視線に気が付くことが出来なかった。
「...あ〜〜もう!!」
苛々を隠さず、横目で獅子寮の今夜の主役を捉えつつ食事をとっているのは言わずもがなパンジー・パーキンソンである。
彼女は、ロンの恋人であるが獅子寮の人間と一緒になって祝うわけにもいかず、こうして苛々を募らせているのであった。
「変なプライドは捨てて、祝ってきたらいいじゃないか」
見兼ねたドラコも、苦笑しつつ助言するがパンジーはそんな簡単な女ではなかった。
「嫌よ、あんな馬鹿みたいにおちゃらけた奴らの輪の中に入るなんて!!大体いつまでやるのよ〜まったく!」
「...まぁかれこれ30分はやっているな」
「んもう!やってらんないわ!!」
ばんっ!とテーブルを叩き立ち上がるとパンジーは大広間を出て行ってしまった。
「...やれやれ」
小さく嘆息したドラコは獅子寮の下級生を捕まえると、パンジーが出ていったので追わせてやれといった趣旨のメモをハーマイオニー宛てに持って行かせた。
「あら、ありがとう。ねぇ、ロンこれ」
もじもじと恥ずかしそうにメモを渡す女の子にお礼をしてから、ハーマイオニーは一瞬ドラコに目線をなげかけ、ロンにメモをそっと見せた。
「なんだって、彼女が?...ちょっと僕、トイレ!」
がたん!と音をたてて立ち上がり、ロンは猛ダッシュで大広間を出た。もうちょっとマシな言い訳ないの?とハーマイオニーは苦笑し、彼の背中を見送る。
厄介な蛇寮のお姫さまと、鈍感な獅子寮の赤毛のっぽの周りには呆れ顔がふたつ。大広間へ続く廊下では幸せそうに笑う恋人たちの顔がふたつあったそうな。
END
( プレゼントは? )
( ん、あたしよ? )
( え、まじ?いいの?ほんとに? )
( んなわけな、ってちょっとどこ触っ )
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