ふたりの休日

ふわぁ〜あ...っ
活字を見て、寝ちゃってたみたい。

「はぁーまいおに〜!! 僕の愛しいはに〜!」

...ドラコだわ。
私は彼と結婚してから、彼が社会復帰する日まで私が彼を支えるんだとずっと忙しくしていた。今日は久しぶりの休日で、たまった本を消化できると思ったのに。
それにしても、昼間からお酒なんて飲んでるのね!

「はに〜!! どこにいるんだ〜い?」

「はいはい、何かしら? 私、読書中なんだけど」

「声が聞こえなくて....」しくしく

「...寂しかったの?」

「...うん〜」
そう言うと、彼は私の首に顔をうずめた。

「はぁーまいおに〜、」

酔っているのか彼の頬は、普段の陶器のような肌からは想像できないほど赤く染まり、潤んだ空色の瞳は私だけを映し込んで優しく輝いている。

「ん?」

「...きすを」

「へっ!?」

「君からの口付けがほしい...」

「えっ!?」

そんな顔で見つめないで。

「はーまいおにー、早く」

「....」
わたしは、今か今かと待機している彼に口付けをした。

「...ふふっ」

「なっ!?」

「君からの口付けなんて、久々だなあ」

「あなた、酔ってたんじゃ...」

「誰が酔っていると?」

「!!」
...やられた。

「もう! ドラコなんて嫌い!」

「おや? 僕の妻は唇を求めただけで怒ってしまったのかな?」

「ふんっ!」

「ごめんごめん」

ドラコは笑いながら私を抱きしめる。彼のこの温もりに、私の怒りはあっという間に溶かされてしまう。

「...そんなに嫌だったかい?」
ふいに、空色の瞳に不安げな色が陰った。

「そ、そんなことないわ!少し恥ずかしかっただけよっ!」

「そっか。...ハーマイオニー 愛してるよ」

「私もよ! 愛してるわ」

「はに〜♪」

「もうっ」

久しぶりにゆっくり出来た私たちの休日。


END


( 今度からは、普通に言って? )
( 言ったらいつでもキスしてくれるのかい? )
( なっ...!! )


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