眼差しに、魅せられた
「ちょっと!やめなさいよ!」
今日もまた、彼は心無い人たちにからかわれる。
その理由は、彼が「死喰い人」の家系出身だから。
ママたちの最後の戦いでハリーおじさんがヴォルデモートを打ち破ってから、血の重要性が問われなくなったけど今でも純血を重んじている人はいる。
それが主に「元」死喰い人の家系。彼の家も魔法族の旧家で、かつ純血の死喰い人が出た家系だった。
新しい時代が到来した今、マグルの差別ではなく死喰い人の家系出身が周囲のからかいの対象になってしまっている。
「やぁ、金色のサソリちゃん!今日もママに髪を梳かして貰ったのかい?」
「...そんなわけないだろ!毎朝、自分でやっているんだ僕は!」
「ボクちゃんのパパは、闇の魔法使いなんでちゅ〜!あぁ、怖い怖いー」
「父上のことを悪く言うな!」
そして冒頭に戻る。
「あなたたち、いつもいつも五月蝿いわ!大体ね、もう死喰い人なんていないじゃない!いつまでも、ネタにするなんて鬱陶しい!それ以上、ここで騒ぐならマクゴナガル先生をお呼びするわよ!」
ま、こんなもんよね。
彼をからかっていた奴ら(たぶん上級生ね...)は
一目散に走って行った。
「ロ、ローズ!」
「あなたも、あなたよ!いちいち真面目に返答しないであいつらなんか無視すればいいじゃない!」
「...父上のこと悪く言われるのって、腹が立つんだ」
「私はよく知らないけど、ママがあなたのパパは不器用だけどとても優しい人だと言っていたわ!」
「うん、とても尊敬してる。ずっと苦労してきてやっと家をたて直せたんだ。だから他人に変なことは言わせたくない」
彼がパパの話をするときの目は、とてもきらきら輝いていてパパへの尊敬の気持ちがこっちにまで伝わってくる。
その感覚が心地よくて、いつもこの話を聞いてるの。
彼のパパはママの同級生で、写真でしか見たことがないけれどいつか、会えたらいいなぁ。
「ねぇ、スコーピウス。今度、おうちに遊びに行くわね」
END
( あなたのパパに"ガールフレンド"ですって言うわ! )
( えぇっ!? )
( 冗談よ、 )
( ...しょぼん。 )
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