たまたま不調だっただけだ
( 俺様ヘタレな彼のセリフ )

「あーあ、負けちゃったのねえ...」

そう、寮対抗のクィディッチでグリフィンドールに負けてしまった。

「あなたの場合、墜落するし、」

「うっ...」

マダムポンフリーに面会を許され、僕の恋人はベッドの傍らに座っている。

「スニッチ見つけてもハリーに取られちゃうし」

「ううっ...」

「私、やっぱり観に来ない方がいいかしら...」

僕が負けたことを自分のせいだと彼女は己を責めている。つぶやく言葉がいちいち、僕のガラスのハートに刺さるのは置いといて。

「いやっ、君が来るのは構わない!!」

「でもスリザリンの応援席で応援できないし...」

君がみててくれるから僕は頑張れるんじゃないか。

「君にはちゃんとみていてほしいんだ」

「でも...」

「たまたま不調だっただけだ!
クィディッチの勝敗は君のせいじゃない!」

だから...!

「ドラコ..あなた、何か必死ね?」

ふふっとはにかむハーマイオニーに思わず見とれてしまう。

「...っ!? ちがっ..!」

彼女には、すべて見えているようでほんの少し悔しかった。


END


( ね、マルフォイ。次の試合は勝ってね? )
( もっ、勿論だっ! )
( 次負けたらもう観戦あきらめるわ。 )
( ......?!! )

[back]