楽しくて僕のことなんか
忘れてたんじゃないか?
3年めのクリスマス休暇に入って少しした頃、私は隠れ穴でウィーズリー夫妻のお世話になっていた。
「ハーマイオニー、まだ起きてる?」
眠れないのか私の部屋にジニーが訪ねてきた。
「ええ。眠れないの?」
「うん。お兄ちゃんの所に行ったら、ハリーとゲーム中で入れてくれなくて」
ロンったらまだ、やっていたの!
「そうなの。どうぞ」
ジニーは、私を姉のように慕ってくれるからちょっと嬉しい。
最近彼女はハリーが気になるらしく、今日もその話をしてきた。
「私がハリーと話そうとすると、お兄ちゃんが割って入ってくるの」
「きっとロンは、ハリーに可愛い妹をとられたくないのね」
「お兄ちゃんは、過保護すぎるのよ!」
笑いあいながら、そんな話をしているとふいに 窓をつつく音がした。
「何かしら?」
さらさらと降る雪に気を付けながら、窓を開けるとそこにはマルフォイのワシミミズクがいた。
「どうしたの?」
「マルフォイからのふくろう便よ」
ジニーは驚いて私を見つめたけど、それには気づかないふりをして少し震えているワシミミズクの雪を払い、中に入れてやった。
少し手紙を開くとマルフォイ愛用の香水の香りがして思わず、にやけそうになってしまった。
「...ハーマイオニー、何て書いてあるの?」
「はっ!...あいつらしい傲慢な自慢話よ!」
危うく、ジニーの存在を忘れる所だった。まだマルフォイとのことを皆には言っていない。
ふたりで、隠しておこうと決めていた。
「ジニー、皆に心配かけたくないからこの手紙のことは、黙っておいて」
ジニーは心配そうな顔をしていたけど、深く頷いてくれた。
彼女が帰ったあと、ベッドの中で彼からの手紙を読み返す。
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親愛なるグレンジャーへ
どんな休暇を過ごしているだろうか?
僕は散々、退屈なパーティーに
出席していて もう、くたくただよ。
君は、いつもの二人と一緒なんだろう?
多少、仲良くするのはいいが
楽しくて僕のことなんか
忘れてたんじゃないか?
まぁ、君がこの僕を忘れることなんて
おそらく皆無だろうから、
実のところ あまり心配はしていないが。
休み明けにまた、早く会いたい。
こんなつまらない毎日は、うんざりだ。
君も、風邪をひかないように
僕に会えるのを楽しみにするといい。
では、学校で会おう。
たくさんのキスを込めて
愛しい君へ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
なんて、マルフォイらしいのかしら。でも、私も早く会いたいわ!そっと手紙にキスを落とし、キザなあいつと夢で逢えるのを祈って、私は眠りに落ちていく。
外は雪がさらさらと静かに降る夜だった。
END
( ルシウス?ドラコを見なかった? )
( あぁ、今日もまた窓辺で外を眺めていたよ。 )
( ...はやく、ホグワーツに戻りたいいいいい! )
ナルシッサ→ルシウス、ドラコ
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