真っ赤な二人
「ぱん...じぃー...」

隣で寝ている赤毛の恋人からどんな夢をみているのか、名前が呼ばれた。

「なによ、一人だけ寝ちゃって」

鼻を軽くつまんでやるとふがっ、なんて むせながらまた寝てしまった。

今のあたしたちがあるのは、どうしよーもない寝顔のこの恋人がある人に向いていたはずの心を奪って行ったから。

あたしがいなきゃ、ダメなんだって言われた。

「あたしの心、奪ったんだからちゃんと責任取ってよね」

ちゅ

彼が笑ったような気がしてあわてて顔を離した、トマトのようなパンジーなのだった。

END



2012/08/28〜2013/03/23 clapお礼文 掲載


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