First loveletter
ホグワーツに入学してからはやくも3年めに入ろうとしていた。
明日は、1年に一度の彼女の誕生日。蛇寮の貴公子ドラコ・マルフォイはティースプーン一杯分の勇気を奮おうとしていた。
「明日言わないでいつ言うんだ!とにかく手紙を書こう!」
あーでもない、こーでもないと大量の便箋を消費して書き綴った、ラブレターを持ってフクロウ小屋に向かい、自分のワシミミズクの前でうだうだしていると、同じように手紙を握りしめた彼の想い人 ハーマイオニーが小屋の扉をくぐってきた。
「げっ!」
「げ、とはなんだよ、グレンジャー」
「あら、失礼。あぁ、大好きなお母さまへの
お手紙かしら?」
「なっ!?お前こそ、ビクトール・クラムか?」
そう言うと、彼は彼女が持っていた手紙をフクロウの足にくくりつけ、大空に放してしまった。
「なにするのよっ!?」
「僕を侮辱した罰だ。 ...うわあっ!」
お返しとばかり、ハーマイオニーも自分へのラブレターとも知らず、彼のワシミミズクに手紙を持たせた。
「あー!!」
「お返しよ」
「...お前、明日どーなっても知らないからな!」
「どーゆー意味よ?」
やけになったマルフォイは半べそで階段を駆け降り、スリザリン寮へ帰っていった。
次の日、ハーマイオニーは真っ赤になってラブレターを読み、それを覗き込んだロンは真っ青になって ふさぎこんだのは言うまでもない。
END
( ...ほら見ろ、言ったじゃないか。 )
( だ、だってこんなの予想外だったものっ。 )
( お前のは、本当にクラムへのだったのか...。 )
( あなたがフクロウを放したんでしょ! )
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