I'll follow you.
「ハーマイオニー、入るぞ?」
いつになく、神妙な顔をして恋人が私の部屋に入ってきた。
「どうしたの?」
本のページをめくる手を止め、暖炉のせいでうっすらと汗ばんだ額を拭った。
敵対していたドラコと恋仲になってずいぶん時が経った。二人の鈍感な親友たちもさすがに気付いて、説得に来たりしたけど心身ともにまいっていたドラコを、どうしても支えたかった。
「ハーマイオニー...。 聞いてるか?」
回想にふけっていてわからなかった。目の前に朱に染まったドラコが目線をあわせ、私を見つめていることに。
「ごめんなさい...。 何かしら?」
「いや、明日は記念日だなって」
「そうね、1年って早いものだわ」
「明日なにしてる?」
どうしたのだろう。急にドラコの肩が震えだしている。
「え?ドラコ、どうしたの?」
「なっ、なんでもないっ!」
「ちゃんと言葉にしてくれなきゃわからないわ」
「う...じゃあ、言うからなっ!」
「どうぞ?」
ドラコは伏せ目がちになり、歯を食い縛っている。
「けっ、けけけ結婚してくれないかっ!!」
「えっ...!?」
「一生一緒にいてほしい!」
ヘタレなドラコから、まさかプロポーズされる日が来るなんて!
「...ドラコ、大好きよ」
「僕の妻に、なってくれるか?」
「もちろんよ。あなたを支えられるのは私しか、いないでしょ?」
「うっ...」
「もう、ヘタレなんだから」
そんなあなたも大好きよ!
明日、私たちふたりは夫婦になる。そんなことを考えると思わず 頬が緩んでしまう。
「ドラコ、愛しているわ」
「もっもちろん、僕もだ!愛してるよ」
END
( ご挨拶に行かなきゃね。 )
( うぇっ?!そうだったぁっ....! )
( ...問題は山積みね。 )
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