命令

「おい!」

「いたっ!」

いきなりあいつが、私の髪をぎゅっと掴み、引っ張ってきた。

「なっ、なによ!マルフォイ!!」

「特別に僕からの命令を聞かせてやる!」

涙目になりながら睨むと、

「そんな顔をしなくても ちゃんと言ってやる。よく聞けよ?僕のファーストネームを呼べ」

「はぁっ?!」

よく見ると、顔が真っ赤だ。
つられて私も真っ赤になってしまった。

「早く、呼べよ!」

「あなたが呼ぶなら、私も呼ぶわよっ」

ふたりで真っ赤になって言い合っていると不意に、

「...ハーマイオニー」

あいつが私のファーストネームを呼ぶから、これ以上ないくらい真っ赤になってしまった。

「ぼ、僕は呼んだぞ!君も早く呼べよ!」

「ドラコ」

彼の耳にこそっと、呼んであげた。
恥ずかしくなってあいつの顔は、見れなかったけど 見なくても分かるわ!
彼の真っ赤に染まった顔なんて!


END


下の名前って呼ばれるの嬉しくないですか?

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