服従の呪文

あぁ...うるさい。

今朝のグリフィンドールの奴らは鬱陶しい。おそらく、明日からクリスマス休暇に入るからだろう。
いや、いつでもか?特に、グレンジャーの周りにいる傷モノと赤毛の貧乏人が。あんなに楽しそうな顔を僕も向けられたい。

ちょっと声をかけてみるか。

そう思ったスリザリンの貴公子は二人の大食らいを引き連れ、にぎやか過ぎる三人組に近付いた。

どんっ!

「マルフォイ!!前見て 歩けよ!」

「あぁ、純血の僕の目はマグルとそれに近しいお前らを映さなかったようだ」

「何だと?!」

「そうだ、マダムピンスがそいつを呼んでいた。夕食の後に図書館へ来るように、と」

つっけんどんにそう告げるとドラコは足早に去った。
...僕は嘘を、付いた。ある計画を実行するために。

やはり、図書館に呼び出したのは正解だった。この時間帯は、誰もいない。マダムピンスでさえ、うとうとしている。

あ、来た。
僕は彼女に1番近い書棚の影に隠れ、杖を向けた。
「インペリオ!(服従せよ)」


これから、ホグワーツは休みになる。その間 君は、ずっと僕のものだ。君を僕の傍に置いておけるなら、何度でもこの呪文を唱えよう。
なあ、グレンジャー?

虚ろな目が僕の瞳を捉える。なんて...なんて、愛しいのだろう...!

「おいで、グレンジャー」

腕を広げると、魔法にかかった彼女はすっぽりと僕の胸に収まった。
そして、ポッターの部屋から透明マントやらを持ってこさせ、我がスリザリン寮へ向かった。

僕らの休暇はまだ始まったばかりだ。
存分に楽しもうな、グレンジャー?


END


ドラコ、狂いました。←
あくまでもまだ3年生くらいの設定。

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