「〜〜♪〜」

「あれ? この歌って…」
「星野三席の歌?」
「ちょっと聴いていかない?」
「そうだね!」

四番隊の大広間には怪我人や病人、四番隊隊士たちや近くを通りかかった人で溢れ返っていた。
みんなは目を閉じて静かに光理の歌を聴いていた。

「お手数をお掛けしましたね、日番谷隊長」

極度の方向音痴の光理の為に、冬獅郎はわざわざ仕事を中断して十三番隊と四番隊まで足を運んだ。

「いや、俺も久しぶりに光理の歌を聴きたいと思っていたところだ」
「そうでしたか。いつ聴いても、星野さんの歌は素晴らしいですね」
「ああ。何度聴いても、光理の歌は飽きないな」

光理が歌う曲数は十曲前後とあまり多くはないが、一曲一曲を丁寧に歌う。
自分で曲にアレンジをして、聴く人を退屈させないようにしている。
光理自身は他人が一生懸命作った曲にアレンジすることをあまり好かないらしく、多少の強弱や感情を込める程度だ。
だがそれでも光理が歌うと曲の雰囲気が変わり、また別の曲だと思わせる。

「歌は光理の生き甲斐だな」


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