「タイキ…」
俺はおもむろにつぶやいた。
なぜか寝られない。
どうしてだろう?体は疲れているのに、脳は休まなきゃいけないって分かってるのに、眠気がない。
すやすや寝ているタイキを見ていると胸がくるしくなる。
(俺は男だぞ……?男が男を好きになるなんてありえない)
汗が流れてくる。
暑くないはずなのにどうして……
俺は少しずつタイキの顔に迫っていた。
(ダメだ…。そんなことしたら…)
脳は分かってるのに、体が勝手に動く。
(とまれ…!)
俺の願いはかなわず、そのまま自分の唇とタイキの唇を重ねてしまった。
「バカだ…。バカだ、俺…」