立向居と春奈
背、高くなったんだなぁ。もしかしたら兄さんより高いかも。中学生の時は同じくらいだったのに。
「俺の顔に何かついてる?」
ひょいっと顔を覗きこまれて私はどきりと心臓がはねたのを感じた。これはきっと驚いただけ、と自分に言い聞かせるけど本当はそんなんじゃないって分かっている。
「ううん、なんでもないよ」
「うそだぁ」
うそじゃないよと答えるも立向居くんは、春奈さんって昔からウソつくとき目が泳ぐよね、とにかりと笑う。
「私のクセ、知ってたの?」
「ん。....だってずっと春奈さんのこと見てたんだから」
え?と私が思わず声を出すと立向居くんはごほんごほんと咳払いをした。もうだめだ、我慢できない、と耳まで赤くして私の瞳をじぃっと見つめる
「ずっと、好きでした...いや現在進行形で大好きです!10年前からずっと...」