佐久間と春奈





他のだれにも話したことのない秘密を俺には話してくれたり、メールを送るとすぐに返信をくれたり、くだらない話でもちゃんと聞いてくれる子が俺は好きだ。
合宿中に何かの間違いか、神様のいたずらかは分からないけれど尊敬している奴の妹のことが俺は好きになってしまった。
彼女は俺の話を良く聞いてくれて、それに俺と良く話してくれて、なにより笑顔が可愛かった。雷門中のマネージャーは皆良い笑顔でどうして音無だけに惹かれたのかというと、それはきっと鬼道の妹だからだろう。鬼道は笑わない、だから妹も性格が似て笑わないんだろうという先入観があったからだと思う。
「音無」と俺は音無のことをそう呼んで、音無は俺のことを「佐久間さん」と呼ぶ。いや、呼んでいた。俺がその名字呼びが気にくわなくて下の名前で呼んでほしいと言うと、音無はむっとして俺に音無の下の名前を呼ぶことを求めてきた。俺は改まって春奈と呼ぶと春奈はにこりと微笑んで次郎さんと甘える声で言った。

「私、変なこと言ってもいいですか?」
合宿も中盤になったころ、夜中にいつものように会話をしていると突然そう言われた。春奈の変なこととは興味があったから一秒もたたないうちに答えた。春奈はよかったですと言って俺を見つめてきた。
「ん、どうした」
俺たちは不思議な関係が続いていた。付き合っている訳じゃないなのにこうやって毎日のようにばれないようにして夜中にあって他愛ない会話ばかりをしていた。自然に付き合うような形になるだろうと思っていたが、それらしいことは全く起きず春奈も何かを求めるようなことはせず、だった。
「私たち、付き合いませんか?」
春奈は俺の手に指を絡めてくる。俺はその手を握りしめてやると春奈は驚いて、俺はその一瞬のすきをついて頬にふれるだけのキスをした。本当は唇にしたかったのだが予想外に大きく春奈がリアクションをとったからできなかった。
「それ、変なことじゃないよ春奈。必然、だったんだよ」
長い両想いの期間を経て俺たちはようやく。




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