剣城と茜




「ばか・・・・」
茜が右手にカメラを持ちながら左手の甲で目に浮かんだ涙をぬぐった。ひっくひっくと声をあげながら少しずつその場に座り込んでしまい、剣城は動揺した。
何か傷つけてしまうようなことは言っただろうか、と何度も何度も同じ思考を回転させたが全く分からない。
「どうしたんスか・・・」
剣城は座っている茜と高さを会わせるため自分もしゃがみこみ肩を軽くなでた。その際、少しだけ肩をふるわせていうことが分かった。
「だって剣城くん、さっき・・・・」
さっき?さっきまで何があったのか軽く整理した。カメラで何を撮っているのか気になりなんとなく見てみたらキャプテンが写っていて、それから「本当にキャプテンのことが好きなんですね・・・」と呆れぎみに呟いて今にいたる・・・・・・・・・。
「カメラのデータ、勝手に見たことを怒ってるんスか」
ふるふると大きく横にふる。
「・・・・・じゃあ、キャプテンのことがうんぬんって呟いたのに怒ってるいるんですか」
茜はしばらく動きを止めてから小さくうなずいた。剣城にとってそのことについて何がダメなのか分からなく聞こうとすると茜がぽつりぽつりと呟き始めた。
「・・・だって、・・・だってね・・・。剣城くんにはそんなこと・・・言われたくなかったんだもん・・・」
「・・・なんで、ですか」
だって他の人も俺と同じようにあなたそうに言ったことあるじゃないですか。他の人が良くて俺はダメってひどい話ですよ、と心の中で思っていた。
「だって・・・・・・私、剣城くんのこと・・・好きなんだもん・・・・。好きな人に・・・そんなこと言われたくなかった・・・・」
ぐすんぐすんと茜は泣き続けた。




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