錦と水鳥
※方言とかかなり適当
さすがに二人乗りしている自転車の速度は遅い。
「はやくしろっ!遅れるって!」
「わ、わかっとるきー!」
しゃかしゃか必死に自転車をこいでいる錦の後ろに水鳥は座っていた。
「・・・水鳥、お前・・・」
「なに?勿体ぶらないで喋れよ」
「少し、・・・重くなったじゃろ?」
ごつん、と殴られたと分かる音がした。
「すっすまん!嘘じゃ!」
水鳥はまだ口を尖らせている。
錦は腹のなかで、我が儘なお嬢さんじゃなぁと悪態をついていた。
「・・・許してあげないこともないけどさぁ・・・・・・・・・、一つ約束して」
「な、なんじゃ?」
「・・・・・・・・もう私の前から、いなくならなで・・・」
「・・・・・・・・・」
錦は、すまんな、と呟いた。