霧野と水鳥
「あーあ、馬鹿だなぁ」
そう言って彼女は包帯を取り出した。運動なんか全然しないお前に馬鹿って言われたくないない。
「ちょっときつい」
「あ?こんくらいがいいんだよ、ばーか」
ガチガチに固定された足を指差して抗議したけれども、頑固な彼女は聞く耳を持たない。
そのなげースカートをめくってやろうか、とも思ったけどやめた。もっといいからかい方がある。
「水鳥、錦が見てる」
「え?」
くるりと振り返りスカートがふわりと形作る。んなわけねっつーの。
そしてさっきの動きをまるで逆再生でもしたかのように水鳥はモーションをかけた。
「.......霧野」
「騙される方が悪いんだぜ?」
クスクスと笑ってやった。
その間、水鳥は拳をあげてふるふると怒りで震えていた。おー怖い怖い。