天馬と葵

俺、葵を絶対に幸せにしてあげる!
悲しい思いなんてさせない!



...

......

...............



海岸には二人分の歩いた足跡があった。
それは波がくるたびに薄れていく。

「天馬~!」
葵は小走りして少し俺から離れたところから名前を呼んできた。

葵は楽しそうにふふふと笑った。
「葵っ」

俺もつられて笑っていた。
葵がそこに立ち止まってるもんだから、俺は走って葵のところまで行った。

「ねえ天馬!」
葵の白く綺麗な二本の手が俺前までのびている。

「なに?」
「ぎゅってしてほしいの!」

そう言うと同時に葵の二本の手は俺の腰までまわっていた。
俺もそれに応えるように抱きしめた。

「私、天馬と一緒にいれて嬉しい」
「俺も葵とこれからもずっと一緒にいれるんだから嬉しいよ」

俺は葵を抱き締めながら葵の膨らんだお腹を感じていた。
命の鼓動が感じる。こんなにも愛しい。

「天馬っ!幸せにしてくれてありがとう!」
俺の幸せはすべて葵からの贈り物。
感謝するべきなのは俺の方だ。

「葵、ありがとう」
二人の愛すべきものをぎゅと抱き締めた。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -