不動と冬花
※意味不明
子供のようにぐずる泣き声が聞こえてきた。
それは久遠冬花が発している声であり、俺は駆け寄った。
別にどうでもいい女になんかこんなことしないですぐに知らないふりをしてどこかへ行くのだが今回だけは違った。泣いているのは久遠冬花だったからだ。
「どうしたんだよ」
「……不動くんには関係ないよ」
強がっているのはわかっている。
だけど、関係ないよという言葉が意外にも重みがあり俺の心臓は鈍く波打った。
「関係……ありありなんですけど……」
「……ホントに関係ないから…。もう私にかまわないで…」
ひっくひっくと本当に子供みたいだ。
そうやって強がって俺を突き放そうとするところもまるで子供だ。
俺は肩をつかんでみたけど、すぐに拒絶された。
久遠冬花は肩で呼吸をしながらも俺を拒絶し続けた。
よくそんな体力が有り余っているんだな、と今にも折れてしまいそうなほど細い身体を見た。
強がりな久遠冬花は、感情をなかなか見せてこなかった。
俺を嫌がっていたのはわかるけど、どうしてそんなにも泣いているのかわからない。
「ほら、顔あげろって。きれいな顔が台無しだぜ」