鬼道と夏未


昨日の夜春奈に言われたことを今朝円堂にも言われた。そろそろ結婚しないのか、とやけに真剣な声で言われたもんだからいつものように冗談で返事できず心の内を言ってしまった。
実はそろそろ相手を決めなきゃいけないということと、結婚する候補は数人いて別に誰にたいしても不満はないのだがなかなか踏み出せないことを言うと円堂は眉を八の字にして困っている表情を作った。円堂の考えていることはなんとなく分かっていたから、俺は別にホモとかシスコンとかではないぞ、と円堂に言い聞かせた。
「じゃあどうして。もしかしてお見合い相手以外の人が好きなのに親が認めてくれないとか、か?」
「・・・まさか。ただ結婚する度胸がないだけさ」
別に誰かのことを好きになった覚えはないのに、不意に雷門の微笑んだ姿が浮かんできた。・・・今は円堂となったことを思い出すと、どうしてこんなことになってしまったのだろうか、と思ってしまった。もう少しはやく、円堂よりもはやくに想いを告げていれば、そう思ってもどうしようもないのに。




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