「そこのキミさぁ、一人で暇してんだったら俺達と遊ばない?」

『え?』


横を見ると柄の悪そうな男三人組が嫌らしい目でこちらを見ている。

――なんかベタなナンパきたァァア!!


『す、すみません!私ちょっと急いでて…』

「じゃあなんでわざわざ一人でこんな体育館裏にいんの?」


強引に腕を捕まれました。












今日は銀魂高校の文化祭。

最初私は、友達且つ片想いの相手のトシと文化祭をまわろうと計画し誘ってみたのだった。しかし…

「文化祭?悪い、風紀委員の仕事入ってるわ」

『空き時間のちょっとだけでもいいから!』

「いやでも、俺が仕事しねーと、他にちゃんとやる奴いねェんだよ」

『私と仕事、どっちが大事なの!?』

「そりゃあ…仕事だな」

そんな感じで敢え無く却下。でもまあ、サボり魔の総悟なら暇だろうと思ったら…

「昼飯五千円分奢ってくれんだったらいいぜィ」

くっ…、では仕方がない。こうなったら、最終奥義『パシリ・ザキ』いでよ!!

「俺も仕事です。つーか最終奥義ってどういうことなの?ねぇ、ちょっと?」

てめーら死ねェェェエエ!!
なんでか弱い少女が一人で文化祭をまわらなきゃいけないんだ!!

「なんだオメー、他に文化祭まわる友達いねェのかィ?寂しいねぇ」


総悟のその一言で私は真っ白な灰になり、体育館裏を徘徊していたわけだった。そのせいで変な男達に絡まれてしまったのである。


こうしている間にも、どんどん近づいてくる男達。


――だっ誰か、助けて!!!!

ギュッと目を強くつぶった時、すぐそばで聞き慣れた声がした。


「オイ、なにやってんだテメェら」


――…え?

目を開けると、男達が後ろから肩をがっしり掴まれている。


「うちの生徒に手ェ出そうなんて、いい度胸だなァ」


そう言ったのは、瞳孔ガン開きのトシ。後ろには風紀委員と思われる男子生徒達もいる。


「な…なんだお前!俺達はただ、一人寂しそうにしている女の子に声かけただけだ!」


男達が叫んでも、トシは手に力を込めたまま。ふーん、と小さく笑うと、一人の男を思いっ切りぶん殴った。トシのパンチがもろにヒットした男が地面に吹っ飛ぶ。

「ふ、副委員長!!」

止めに入ろうとした委員達もトシを取り巻く険悪な雰囲気に口を閉じた。


「俺は風紀委員副委員長、土方十四郎」


トシは倒れた男の胸倉を掴むと、口の端だけちょっと笑ってこう言った。



「悪ィな。こいつは俺の女なんだ。

俺ァ、この女守るために風紀委員やってるようなもんでね」




不確定要素多数につき、
(え、ちょちょちょ、どういうこと!?)
(…こういうことだっつの)



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120301
企画サイト乙女、咲く様に提出。

title.ジエチルエーテル


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