「サイクロンっ!」
「・・・・」

ん〜・・なんか気になってたんだけど、なんで双剣士が魔法つかえんだ?俺は格闘格だから魔法つかえねぇのは分るけどさ?モンクになることもできんだけど・・今更面倒だし、どっちかっていったら格闘格のほうかすきっつーか俺っぽい?って感じがするから。
それにモンクになっても回復できるから便利なんだけどスパーダみたいな攻撃系じゃねぇし・・。まぁ、スパーダが詠唱してるときに守るのも前線の勤めだけど。

「楽勝だったな!・・ってライキ?」
「んー?」
「どーした?なんかずっとボ〜っとしてっけど」
「あぁ、オレも思った」

え。マジで。そんなにボーとしてたのか俺。まぁ確かに戦闘中とかも考えてたけどまさか行動がのろいというか鈍い・・みたいなのがでてるとは思わなかった。あ、ちなみに上からスパーダ、俺、スパーダ、リッドの順番。今日はおなじみの三人でデカパン退治。別に依頼でもなんでもないけど気分転換に・・っつーか、なんつーか・・修行?みたいなのをしてる。

「いやさぁ、スパーダってなんで魔法使えんの?」

双剣士なのに、って正直に思ってたことを言ってみた。そうしたらスパーダが少し考え込んでからわかんねぇけど使える、と適当な回答をしてきた。
わかんないのかよっ自分のことなのに。
けどなんでか風属性の魔法しかできねぇんだよな、といってきた。・・まぁ、確かにな。ウィンドカッターとかエアスラストとかサイクロンとかサンダーブレードしかしないもんな。あれはしないんじゃなくて出来ないだけだったんだな。スパーダに新しい発見。

「俺でも出来るかなぁ」
「ん〜どうだろうな。格闘格だろ?難しいんじゃないか?」
「オレもそう思うぜ。まぁ、出来るか解んねぇけど一応教えてやるぜ」

やる気があるならな、っていってきたからもちろん是非といってさっそく教えてもらうことになった。
まずは俺が魔法を使える素質をもつか持たないか。初級のウィンドカッターを教えてもらってそのとうりにやってみる。・・と、できた。
朱色の丸っぽい形をしてシュシュっという音を立ててウィンドカッター登場。・・けどなんかスパーダのウィンドカッターと違うんだよなぁ・・・なんだったんだろ?ってことでもう一回。

・・・・あ、分った。

朱色だった。

ウィンドって風だろ?けど朱って風・・か?・・いや、違うよな。なんか風属性と火属性がまじってファイヤカッターみたいなのができた。お。いいんじゃね?今考えたばっかなんだけど。

「・・・赤色だけど出来たな」
「・・あぁ、まあ色は気にせずに・・一応素質はあるっつーことだな」
「えーっと、やったー?」

喜びづらいんだが。・・うん、非常に喜び辛い。少しの間沈黙が流れたが、次にスパーダがエアスラストを教えてくれることになった。

「――サイクロン!」

変な空気から開放されてから早一時間。数時間前まではへっぽこだった俺は上級魔法ができるまで上達した。スパーダやリッドも驚いている。けど、一番驚いてるのは俺。
俺だって真面目にやったらなんでもすぐできた。けど、まさか魔法までできるなんておもってもみなかったから。

「すっげぇなぁ」
「あぁ・・ってもう教えられる魔法ねぇぜ」
「え。あ〜そっか」

ありがとさん、っていって俺の特訓は終わった。なんかスパーダとかに迷惑かけちまったかも・・。特にリッド。一緒にやろうぜって誘ったの俺なのに・・、なにもすることなかったよな・・。あとでなんか作って渡そう。勿論食い物。・・あ、けど装備品欲しいとかいってたか?10万ぐらいするやつ。あれ強いんだよな〜。・・料理+装備品で許してくれるかなぁ。ま、リッドだし大丈夫だろ!

「サンキュースパーダ」
「おう」
「リッドも、悪いな。誘ったの俺なのに」
「ん?いや、別にいいぜ。オレも勉強になったしな」

魔法はオレには向かないし第一オレらしくないってことな!っとちょっと意地張っていう。・・いや、それ自慢っぽくいうことじゃねぇーし・・。
けど、やっぱりリッドはいいやつだ。もちろんスパーダもな!リオンも悪くはないけど・・そんなに喋ったりするほうじゃないからなぁちょっときまづくなるところがいやだな。ロイドも面白いぞ!一緒に喋ってても話がつきないし。あ、コレットって天然そうな子・・ってか天然?が教室に人型の穴あけたとか。最初は信じられなかった。けど、バンエルディア号にも人型の穴があいてたから本当だったんだって驚かされた。
まぁいろいろ情報が入ってきて面白い。ロイドも純粋だしな。

「おっし、んじゃ戻るかー」
「あぁ、オレ腹減った・・」
「お前ほとんど動いたりしてねぇだろうが」
「けど腹は減るんだよ」
「ははっ今日はいろいろ借りがあるし奢ってやる!」

まじか!?なんて可愛い顔をしてこっちを向くスパーダとリッド。目を輝かせてる姿はある意味怖かったけど、なんか面白かったりもした。
 なぜかツボに入っちまって笑いがこみ上げてきた。リッドは不思議そうな顔をしていたが食べ物のことで頭がいっぱいなのか、トクに気にしていなかった。
スパーダは笑っている俺をみてムッとした顔をして笑われたことに恥ずかしがりながらもなんだよ!と怒鳴ってくる。その顔が可愛くてついつい抱きしめた。

顔を真っ赤にして怒鳴りちらし、リッドに助けを求めているスパーダを愛おしく思いながら戻っていたこの時間は、集中力を使った俺でも復活しちまうぐらい面白くて、可愛くて、元気が沸いてきた。


風属性

2010/5/1(土)









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