「・・・・・っ」

あーまただ。今日何回目?ついてねぇっつーかなんつーか・・・。溜まってたのが一気に今出てる感じ?
あ〜耳鳴りうっぜえ。おまけに頭痛もちょっとするし。耳鳴りってなんかキィーンってなるだけで別に頭痛くならないはずじゃね?なんか悪化してるような気がするんだが。

「どーした?大丈夫か?」

スパーダがいつもと少し違う俺に気づいたのか、頭を抑えて俯く俺を覗き込む。
大丈夫、心配ないといいたいところだけど、実際結構きつかったり。だから気遣いなんてできなくて、スパーダに本気で心配された。あぁスパーダに心配かけさせちまったよ俺。なんとしてもスパーダにだけは心配かけないようにしようって思ってたのに。

「・・・っ、大丈夫・・だ」
「全然大丈夫じゃねぇだろっ!」

アニーに見てもらいにいこうぜ、と負担がかからないように優しく触れてそっと立ち上げようとする。けど、今動けないぐらい痛い。人生で一番痛い。スパーダには悪いけどいまはじっとしといたほうがよかったから立ち上がろうとはせずに逆にイスに体重をかける。

「・・・っ・・・、・・・」
「ライキ・・?」

あー・・おさまってきた。今のがピークみたいだった。頭にふれていた手を休ませてふぅ〜と息を吐きながら上を向く。
いまだ心配してくれていたスパーダが俺に触ってきて顔色を伺っていた。もう大丈夫だ、とフッと微笑んで半信半疑のスパーダを撫でて再び上を向く。天井があるけどさっきの耳鳴りのことを考えていたら天井なんて視界にはいってこなくなってた。すっげぇ久々の耳鳴りだったけど、人一倍頭痛がひどかった。もうあんな頭痛はこりごりだ、って思った時に我に返って前を向く。
スパーダが遠慮がちに話しかけてくる。まだ心配してるのか、やんわり聞いてくる。

あ。そういえば依頼受けたんだっけ。今日の昼からだったよな。依頼あったからいこうぜ!って満面の笑みでもう大丈夫だってこともかねてスパーダに向けていう。
スパーダも、気にしてはいたがもとにもどった俺をみていつもの意地悪な笑みを浮かべるスパーダに戻った。Sっぽいけど俺が攻めだからスパーダは俺といるときはM。ってそんなことはどうでもいいんだけど・・な。


サンゴの森でクランブズ退治をスパーダとしにいった。リッドも誘っていつものメンバーでいこうかと思ったけど生憎リッドは不在。
すこし落ちこんじまったけど、スパーダとクランブス退治してるうちにだんだん楽しくなって、そんなこと忘れちまった。もちろん、あの頭痛のことも。

目標は15匹だったけど、ついつい楽しくなって倒してたら60匹ぐらい倒してた。
それに気づいたのはクランブスの姿が少なくなってきた時だった。
その帰りに、かなりクランブスを倒したからしばらくは依頼はないんじゃないか、って半ば冗談で話してたらクランブスだけじゃなくサンゴの森での依頼が一つもこなくなったことに驚きを隠しきれなかったが、逆に楽しかった。何でか、すっげぇ楽しかった。

あのあといやな予感はしてたけどそんなにヒドイアレはなかったからホッとした。
次の日から、全然こなくなって昨日のが嘘の様だった。



耳鳴り

2010/4/30(金)









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