「スパーダぁあああ!!」 「のぉおおおおおっ!」 あぁ、可愛いな〜やっぱり なんて朝っぱらからこのバンエルディア号では俺とスパーダの声が響き渡っていた。毎回しては毎回驚くスパーダを愛しく思う。そして一日が始まる。 あの後顔を染めたスパーダに怒られ(あの顔も可愛かったなぁ〜)生憎チャットに見つかってしまい朝っぱらから依頼を押し付けられた。 なんでオレまで、と頬を膨らませながらスパーダと共にラップオンの退治をしにニアタモナドに行った。 ・・・は、いいのだが。 「・・・・・・・・」 「・・・なぁ、ライキ」 「・・・ん・・?」 「・・・ここどこだ?」 「・・・・・・・・・さぁ」 ニアタモナドの場所だけには自信があったこの俺が、なんと ニアタモナドで迷った。 スパーダも俺を信用してくれていたようで、マップを持たずに着来てしまったようで。 ジトーとスパーダに見られて思わず汗が流れる。苦笑してなんとかなるだろうというノリで歩いていると、最深部に来てしまった。 入り口に向かって歩いているつもりが、奥に歩いていた様で。スパーダに殴られそうになったがそれを避けてダッシュで逃走。 まてコラっ!といって追ってくるスパーダを背にニアタモナドの地図を思い出そうとする。わかりそうでわからないな・・と思ってもう一度振り返ると、スパーダが居なかった。 居なかった。 いない。 居ない? 「・・・・・あれ」 ・・・・ ってまぁ探そう。うん、探そうじゃぁないか。それからいなかったら叫ぼう。 走って走って走って走って走って走って走って走って走って走って走っいてっ 誰だ今俺に小石投げたの! 「っていねぇ・・」 あれからずーっと探していたが、一向に見つからない。 ああああ心配だ。今なら死ねる。それぐらい心配だ。ここから出られないこともありゆるがそれよりスパーダが心配だ。どこにいった!?どこにいったんだ! 「オレのスパーダぁあああ!!」 「誰がお前のだっ!」 「いでっ」 ニアタモナドのどこかで叫んだらグーで頭を殴られた。これ以上俺を馬鹿にさせるなっ! 癒しの癒しのスパーダを目にした俺は耐えられなくなってかばっと抱きついた。ほぼ同じ身長(俺の方がちょっと大きい。)の男同士が抱き合う。・・抱き合うといっても、俺が一方的なんだけどナ。 「どこも怪我してないかっ!?誰かに襲われたりしなかったか!?」 「はっ!?襲わっ・・は!?」 んな事あるか!と赤面した可愛いスパーダにまた殴られたが、俺は見た。 「どこで怪我した」 「は?」 「どこで怪我したっつってんだ」 思わず悪い言い方であのスパーダに言ってしまったが、今はそんなことよりスパーダの怪我のこと(一見略着した後に誤ればいいだろ)。 可愛いスパーダの、あの可愛いスパーダの顔にまさかの傷。許せねぇ 「・・・怪我?何所に、」 「ここ」 わかっていないのか、怪我がどこにあるのかと聞いてくる。そんなスパーダも可愛いなぁなんて切れていたにもかかわらずまた萌え始める俺。けどそんなことは顔には出さずに、怪我のある頬に触れて傷をなぞる。 少し身体をビクつかせて顔を赤らめるスパーダだが、長い線を引いている傷を親指の平でなぞると、少し痛そうな顔をして身をよじる。 ああああああ可愛いなぁあああってそうじゃなくてっ! 「あ〜・・ちょっとしくって敵にやられた」 自分がドジを踏んだことを自らいったことに恥をかいたのか、帽子を落とさないように器用に頭をかいて頬を染める。 「・・・っ!」 可愛いな、なんて思ってたら無意識に身体が動いてて、気がついた時には耳まで真っ赤にしたスパーダの姿だった。 あ、俺また変なことしたっぽい。今度ばかりは自覚した。 「お、おらっさっさといいい行くぞっ!馬鹿!」 「馬鹿だけどスパーダよりはマシだ!」 「なっ・・んだとコラ!」 動揺していて舌があまり回っていなかったが必死に言葉を発しているのが見てわかって、さっき自分が過ちを犯してしまったにもかかわらずもう忘れてしまうぐらいスパーダの顔が真っ赤で可愛くて。ちょっとからかう様にいってみたらまだ少し頬を染めたままどつこうとする。 逃げようかと思ったけれど、また離れ離れになってスパーダの可愛い顔に傷がつくのはいやだったからその場に居て受け止めた。逃げるんだと思ってたスパーダはあたる直前で力を弱めて軽くごついただけでフイッとどこかへ歩き出した。 やっぱり根は良い奴だな、なんて思ったり後ろからでも耳が真っ赤になっているのが分って可愛いな、って思った。・・あ、根"は"じゃなくて根"も"か。 まわりからは口が悪いとか女好きとか言われてるけど、ホントは寂しがり屋で人一倍恥ずかしがり屋なんだ。そんなスパーダを知らない奴に教えてあげたいけれど、教えたくない自分もいる。だから、あーだこーだ勘違いで言う奴は許せないけどこれは俺とスパーダの秘密。 君の傷にキス一つ 2010/4/30 |