主夫6


 朝。家を出ようと玄関のドアノブに手をかけると、隣に住む夫婦の声が聞こえた。その家は奥さんの方が働きに出ているので、いってらっしゃい、と声をかけたのは夫の方だった。
「今日ね、いつもより早く帰れそうなの。久々に、夜もあなたと二人でゆっくり過ごせそうだわ。……子ども、早く欲しいね。女の子がいいな」
「そうだね」
 隣の夫婦には未だ子供が出来なかった。俺が昼間に人の良さそうな夫とセックスをしていて、何度も何度も射精させていることも、原因の一つだろう。奥さんの切実な言葉を玄関の扉越しに聞いて、俺はいいことを思いついた。


「今日は絶対に無理です」
 午前中は大学に行き、買い物をして、昼過ぎに隣の家へ訪ねると、主夫は珍しく強い物言いで俺に言った。
「これ飲んで帰ってください」
 ソファに座る俺の前にコーヒーを置いた主夫は、テーブルの端に広げられていた裁縫箱から針を取り、奥さんのシャツのボタン付けを始めた。
「今夜はお楽しみですもんね」
 俺はそう言いながらマグカップを手に取った。コーヒーを一口飲んでから主夫に目を向けると、怪訝な表情を浮かべて俺を見ていた。
「まさか盗聴でもしてるんですか」
「心外だなぁ。俺がそんなことすると思います?」
「思います」
「朝から仲良さそうな会話が玄関の扉越しに聞こえただけです」
 主夫は些か不満気な様子で、手元のボタンに視線を落とした。
「聞いてたなら、わかりますよね。もう妻にあんな顔させたくありません」
「あはは。確かに奥さんは可哀想だ。夫が毎日毎日お尻の穴にちんこをぶち込まれてアンアン喘ぎながら精子の無駄打ちしてるなんて、不憫で仕方ない」
 俺が笑うと、主夫は顔を赤くしながら困ったように眉を曲げた。
「あなたが全部悪いんです……! 本当に今日はそんなつもりありませんから!」
 ムキになったのか、主夫は奥さんのシャツを持っている手に力を込めていた。しわくちゃになった白いシャツを一瞥してから、俺は主夫の泣きそうな瞳をじっと見つめた。
「そんなつもりがないなら、俺を家に上げなければいいでしょ。なんで玄関で断らずに、家の中に招いたんです? コーヒーまで出して、あんたは本当にお人好しだ」
「そ、それは……」
 主夫は何も言えないのか、唇をふにゃふにゃと動かしながら、さらに困った表情を浮かべていた。動揺から、俺の目から視線を外してしまう。
「本当は嬉しかったんでしょ? お尻の穴にハメてもらうセックス、大好きですもんねぇ」
「やめてください、本当に、帰って……、」
 主夫の言葉が弱々しくなる。頬が染まり、体が疼き出したのか、もじもじしていた。俺はソファから立ち上がり、主夫の隣へ移動した。紅潮する頬を指で撫で、小さく強張る耳元へ唇を寄せた。
「安心してください。今日は奥さんとの子作りに支障が出ないよう、イイモノを持ってきましたから」
 耳元で囁くと、主夫はきゅっと目を瞑り、熱い息を漏らした。


「こ、こんなの嫌です……っ」
 ベッドの上に裸で寝転がる主夫は、俺のことを見上げながら泣きそうな顔で訴えた。ちんこに着けられた銀色の貞操帯が、ぎらりといやらしく光っている。
「これを着けていれば、射精は出来ませんから。たっぷりホモセックスを楽しんでも、夜には支障ありません」
「う、うぅ……」
 主夫は貞操帯を外そうと弄くり回す。そして鍵穴を見つけたのか、焦ったように俺を見た。小さな鍵を見せつけながら、俺は笑う。
「自分じゃ無理です。大丈夫ですよ、帰る時にちゃんと外しますから。誰かに射精管理されてるおちんちんを奥さんが見たら驚きますもんね」
「悪趣味です……!」
「あなたと奥さんのためです。俺は早くあなた方に子供が出来たらいいのになぁと、思ってますから」
 俺はそう言って、主夫の脚を大きく開かせた。尻が見えるように上げる。揺れる睾丸をたぷたぷと手で持ち上げると、ずっしりと重みを感じた。
「精液、たっぷり溜まってそうですねぇ」
「やめてください……っ」
 俺は笑ってから、窄んでいるアナルへ舌を這わした。主夫の体がぴくりと反応する。窄んでいる周辺は薄ピンク色に染まっていて、いやらしい。皺をレロレロと舐め回し、窄みの中心を舌先でつんつんと突くと、きゅんきゅんとさらに窄みをキツくする。
「あっあっあっ」
「脚、自分で持っててください」
 俺がそう言うと、主夫は膝裏を自分で支えた。股の間から恥ずかしそうな顔を浮かべ、尻に顔を埋める俺に熱い視線を向ける。俺は尻肉をがっつりと掴み、揉みしだいたり、穴がくぱりと開くように左右に割り広げた。皺をなぞるように舐め、俺の唾液で濡れた穴に鼻を寄せる。クンクンと匂いを嗅ぐと、いやらしい匂いが鼻の中に広がっていく。
「ちんこが好きそうなスケベな匂いがしてますね」
「やだ、ぁ、嗅いじゃダメです……っ」
 主夫が恥ずかしがるので、俺はまた鼻を擦り付けるように当てて、わざと鼻息荒く匂いを吸い込んだ。
「あんっあっ、だめっ、だめぇ! そんなところ嗅がないでっ、あぁんっ!」
 激しく匂いを嗅ぎながら、またレロンッと舐め上げると主夫は悦んだ。口を開いた穴に舌を捩じ込み、ちゅくちゅくと出し入れをしながら中も外も舐め回すと、ひんひんと声を上げる。
「あはっあっ、あんっあんっ! 舌、ぁっ、あぁんっ、学生さんの舌っ、えっちすぎますっ、あぁあーーーーーッッ」
 唾液でベタベタに濡れたアナルをぢゅううっと吸う。主夫はぱくぱくとアナルを開閉しながら悶えた。そこに指を突っ込むと、さらに悦びの声を上げる。
 ぢゅくぢゅくぢゅくぢゅく
 くぽくぽくぽくぽくぽくぽ
 グチュグチュグチュグチュグチュ
「あはっあっおっあっあっあぁっ指っ指っあぁあんっ」
 穿り回しながら、その周りにまた舌を這わす。
「あぁぁっんんんっいひっ、ひぃぁんっ! あぁんっ、すご、ぉ、あぁんっ舌も指もぉ、っ、えっち、えっちぃ……っ! あぁっ、学生さっ、あぁんッだめぇぇっ」
 熱いアナルの中に、指をさらにもう一本突っ込んでいく。ぐちぐちに掻き回すと、主夫は嬉しそうに体を跳ねさせた。
「んあっ、ぉっ、あぁあッ! お尻っお尻っぐちゅぐちゅきもちいぃぃっ、」
 主夫の中が俺の指を締め付ける。ちんこが欲しいと嘆くように、肉壁が媚びてくる。
「気持ち良さそうですね。俺の指で充分みたいだ」
 意地悪にそう言うと、主夫は焦ったように濡れた目で見つめてくる。
「あっだめっ指だけじゃ……っ、指じゃ嫌ですっ、もっと、もっと太いのぉ……っ!」
「あれ? 指は気持ち良くないですか」
 俺は主夫の前立腺をぐりぐりと指で刺激した。主夫の腰が跳ねる。
「あはっあはっあああぁあッ! きもちいいっ、指も気持ちいいれすぅっ! あぁぁあぁんッそこぐりぐりだめぇえっ! んはっ! んはっ! あぁぁあんッ!」
 きっと普段ならこのあたりで射精しているんだろうが。主夫のちんこは貞操帯の中に虚しく収まっている。精液が出ないから良い、そんな単純なものではない。イけない苦しさを主夫はやっと感じたのか、触りもできないのに貞操帯の表面を指で掻く。
「あっあっ、これっこれやっぱ嫌ぁっ、ちんちんっちんちん変になっちゃうぅ」
「外したら精液ビュービュー出しちゃうでしょう。いいんですか? 夜のために大切に取っておかなくて」
「うっうぅ……っ、でも、でもイきたぃぃ…………」
「精液出さなくてもイけるじゃないですか」
 俺は指を抜いて、ぱっくり開いたいやらしいアナルへちんこをぶち込んだ。
「あぁあんッ!」
 思い切り奥へとぶち込んで、指で弄くり回した前立腺に亀頭をごりゅっと擦りつけていく。主夫は広げた脚を大きく跳ねさせた。中がぎゅーーっと俺のちんこを締めつける。
「ほら、メスイキ。精液出すより気持ちいいでしょう」
「あはっあはっあはっ待ぅ、あぁーーー……ッ! ちんちん待っれ、んひぃっ! あぁぁんっ!」
 ベッドのスプリングを利用して、突き刺すように何度も何度も奥をえぐっていく。主夫は泣きながら悦んで、喘いだ。
「あぁあんっすごっすごいぃっあぁあんっイッたのにぃッあはっあはっあはっイッたのにまたイッちゃうっちんちんっちんちんっちんちんっ! 学生しゃんのちんちんきもちいぃんっ!」
「そー言えば、」
 俺はずるりとちんこを抜いた。主夫のアナルは塞がらずにぱっくりと口を開けている。
「あっ、学生さ、ちんちん抜いちゃやだぁ」
「さっき、あなた言ってましたよね。精子無駄打ちしてるのは全部俺が悪いって」
「そ、それは……」
「あれって、本当に俺が悪いんですかね? なんか、そんなこと思われながらセックスしたくないんですよねぇ。訂正と謝罪。ちゃんとしてくれません?」
 俺が自分のちんこをぺちぺちと主夫の尻に当てると、主夫は夢中で揺れるちんこに目を向けながら頷いた。
「ご、ごめんなさ……っ、悪いのは僕ですっ……! 謝るからぁ……っ、ちんちんハメてくださいっ! ちんちんっちんちんぶち込んでくださいぃっ……!」
 さらに煽るように黙って見つめると、主夫は泣きながら尻を振った。
「ごめんなさいぃ、ちんちんハメられて、気持ちよくなっちゃう僕が全部悪いですぅ! 学生さんはっ悪くないれすっ、だからっ、だからっ、ちんちんハメてくらさいっ、お願いします……っ! ちんちんでいっぱい犯してくださいぃッ」
 必死な主夫は間抜けで仕方がなかった。アナルにちんこの先を当てると、勝手にぐぷぐぷ飲み込んで吸い付いてくる。俺はまた奥に捩じ込みながら、主夫の尻肉を引っ叩いた。
「あはぁあんっちんちんっちんちんっちんちんんん!」
「ほら、奥さんにも謝ってください」
「あはっ、あっごめんなさいっ! ごめんなさいっ! 俺がっお尻の穴なのにっあぁんっちんちん突っ込まれてっ、あはっあはっあはっ気持ちくなってっ精子ビュービュー出しちゃう変態れごめんなしゃいぃっ! んぉっおっああっあぁあんっ子作りセックスの前にっ学生しゃんと、んひっんひぃ! えっちなっあぁんっホモセックスしてっちんちん大好きになっひゃって、あはぁあんごめんなしゃいぃんっイくぅぅぅあぁんっ精子出さないようにしゅるからっメスイキっもうずっとメスイキで気持ちよくなるからぁっ! 許ひてっ、許ひてぇっ! ホモセックスで気持ちよくなるの許ひてぇぇっ! あぁんっ! イクッイクッ! ごめんなさっイキますっごめんなしゃいっ! あぁぁあんっ!」
 盛大に喘ぎ散らかしている主夫の中が思い切り締まる。俺ももうイキそうだった。イッたばかりの主夫の中をめちゃくちゃに突きながら、肉壁にちんこを擦り付ける。
「中出ししてあげますから、っ、!」
「あはっ中出しっ中出ししてぇっ、学生さんのちんちんからっ精子中にびちゃびちゃに出してぇぇんっ! 子作りホモセックスぅぅっ!」
 びゅくびゅくっと中に放つと、主夫は満たされた表情を浮かべた。
「んはっんはっ、はぁっ、あぁっ、ちんちん……っ、ちんちん……っ!」
 ちんこを抜くと、ぱっくりと開いたままのアナルからとろりと精液が垂れ流れた。
「学生さ……っ、」
 主夫に呼ばれ、アナルから顔へ視線を変える。主夫はぼろぼろ泣きながら俺のことを見ていた。力弱く起き上がり、シーツに貞操帯がついたちんこを擦りつけるように何度も腰を振りながら、俺のことを熱く見る。
「お、お願い……っ、め、メスイキだけじゃ……っ、頭おかしくなっちゃう……っ、ちんちん……っ、ちんちんもイキたい……っ」
 たった今、メスイキだけでイクから許してくれとこの場にいない妻に謝ったばかりのくせに、主夫は俺に射精をねだった。
「これっ、外してください……っ、ちんちん、ちんちん触りたい……っ」
「いいんですか? 大事な子種」
「い、一回だけなら……っ、一回だけなら大丈夫だからぁ……っ! 学生さんのちんちんハメてもらいながらっ、ちんちんシコシコ扱いてっ、精液ピュッピュッしたいですぅ……っ、お願い、お願いしますぅ……っ! 鍵外してくらさい……っ」
 主夫はだらしない顔でそんな都合の良い言葉を吐きながら、俺のちんこを口に咥えた。媚びるようにジュポジュポと激しくしゃぶり、喉奥まで咥え込む。
「まぁ。べつにいいですよ。俺に被害はありませんから」
 俺は鍵を取り出して、主夫に渡した。主夫は息を荒くし、俺のちんこにしゃぶりつきながら、震える手でガチャガチャと貞操帯の鍵を開けた。
「はぁーーっ、はぁーーーっ、ちんちんっ、ちんちん……っ!」
 主夫は開放されたちんこを夢中で扱いた。カウパーの量が凄くて、ぐちょぐちょと音が立つ。
「ほら、さっさと尻出してください」
 俺がそう言うと、主夫は四つん這いになって、自慰をしながら俺に尻を向けた。
「はっはっ、はぁっ、ちんちんっ、ちんちんお願いしますっ、犯してぇっ」
「あーあ。奥さん、かわいそうですね」
 俺はそう呟いてから、主夫のアナルにちんこをぶち込んだ。
「あぁあぁんっ! ちんちんきたぁぁんっ!」
 主夫は挿入したタイミングで射精した。シーツの上にびゅくびゅくと精液が放たれる。
「あはっ、あっあっ、精液っもぉ出ちゃったぁ、っ」
「あれ? 射精は一回まででしたよね? じゃあもう抜きますよ」
 俺がちんこを抜こうとすると、主夫は慌てて中を思い切り締め付けた。
「ああぁっだめっだめぇっ! ちんちんで奥ごりごりされながらシコシコしたいんれすぅっ! ホモセックスで精液噴射したいのぉっ! 抜いちゃらめっ、もっと、もっとズコズコしてぇっ」
「夜はいいんですか?」
「もぉいいからぁっ、突いてぇっ! ちんちんでっすけべな穴の中っ、いっぱい掻き回してぇっ!」
「あはは、あなたも最低ですね」
 俺は主夫の望み通り、ガツガツと中を突いた。主夫は泣きながら喘いでいる。自分のちんこを扱く手も止めなかった。
「これこそ奥さんに謝った方がいいですよ。ほら、ちゃんと謝ってください」
「んひっんひっ、ごめんなさいっ、ちんちんでイクのっ、あぁんっ我慢出来なくってごめんなさいぃっ! お尻っ、ちんちんで掻き回されながらイクのっあはぁっあっあっ気持ちいいからぁっ、ぐすっ、うっあぁんっ気持ちいいのっ我慢出来ないぃっ、あぁんっお尻の穴っちんちんでぐちゅぐちゅっあっあっきもちいいっハメハメしながらっ精子ビュービュー噴射するのだいすきなんですぅっ許しぇっホモセックスでっ精子全部出しちゃうぅっ許してぇっあぁあんっそこっそこっそこぉっちんちんすごいぃっ! あぁあんっちんちん大好きぃっ! あぁあっあはぁんっらめっらめっまた出ちゃうっまた精液出ちゃうぅぅっ! あはぁああんっ!」
 主夫はそれから何度も奥さんに謝って、何度も何度もイッた。



「……どうしよう」
 ベランダに干してあった洗濯物を、ベッドで寝そべっている主夫の代わりに取り込んでいると、主夫は消え入りそうな声でそう呟いた。
「俺のせいですか?」
 明るい外とは違い、電気もつけない部屋の中は暗く、主夫の体の線がぼやけて見えた。
「……僕のせいです」
 主夫の背中は丸まっていた。お人好しだなぁと思った。俺のせいにすればいいのに。

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