最近思い出すことがふたつある。

 ひとつは中学になってからの事。
 ちょうど眠気から覚めた時が保健体育の授業中だった。寝起きの頭で頭はぼうっと靄がかっていて今すぐ動く気にもならなかったので、なんとなく授業を聞いていた。アキレス腱が何でアキレスという名なのか、その由来について教師は語っていた。なんでも、ギリシャ神話に出てくるアキレスっていう男は母親になんたら河に頭から浸されて不死身になったけど、その時踵をつまんで浸されたから、そこだけは不死身にならなかったらしい。敵に唯一の弱点を踵だと見破られ、矢で射抜かれて死んじまったとの事。その話を聞いて、オレだったら避けれたなと思ってまた寝た。

 もうひとつは、ケンチンの事。いつだったか忘れたけど、オレはエマに惚れてるんなら付き合えばいいのにと言った。するとケンチンは『ンな簡単にいかねえよ』と渋い顔で返してきた。

『なんでだよ。せっかくオレがいいっつってんのに』
『オマエが良くても、周りが気にすんだろ』

 あ、そゆこと。ケンチンの彼女になったら否が応でも注目される。オレの妹って時点ですげえ注目されてっけど。今更な話じゃんと思い『いいじゃん、別に』と軽くいなす。

『大抵の奴はオレとケンチンにビビってるし大丈夫だろ。つかヤバくなったらオレ達でぶん殴ればよくね?』

 オレ的正論を突き付けてやると、ケンチンはぼりぼりと頭を掻いて『んな簡単に割り切られねえンだよ』とぼやく。

『危ねェ目に、少しでも遭ってほしくねえ』

 淡々とした、だけど切実な願い。ぽろりと、零れ落ちたような呟きだった。ケンチンの心の内で留まるはずたったのだろうか。言ってからばつが悪そうに手で口許を覆う。
 その時、オレの心は意表を突かれたように一拍の間が空いたのを覚えている。

 最近何故か、この二つの思い出が頭の中でちらちらと浮かぶんだ。




 菜摘が教室にいなかった。

 登校すると、菜摘がいなかった。いつもだったら女子数人と給食を食っているのに、教室のどこにもいない。ちょうどオレの前にいる男を捕まえて問いかけた。

「そこのオマエ」
「……はい!? ボ、ボクでしょうか?」
「菜摘知らね?」
「菜摘………ああ、川原。あー、なんか、体調悪いとかで保健室に行ってたような……」

 体調悪い。保健室。
 胸の中がざわりと騒いだ。

「ありがと」

 礼を述べて踵を返し、教室を出る。「すっげー! マイキー君に礼言われた!」となんでか喜んでいる声を背中で受けながら、最後にもう一度、教室の中を後目で見た。

 菜摘がいない事を再確認すると、ぽっかりと、胸の中に空洞が広がった。



 保健室に入ると、カーテンに閉じられた向こう側から高い声が聞こえてきた。「菜摘ちゃん、重いから大変だね」と心配に満ちている。

 あそこか。迷いなく歩いてカーテンを一気に開くと、「うえっ!?」と驚きの声を向けられた。菜摘のダチのリカちゃんとやらがパイプ椅子に腰かけた状態で、目を丸くしてオレを凝視している。

「さ、さ、佐野君」
「よー」

 軽く手を挙げて挨拶すると、リカちゃんは震え始めた。歯の根が合わないらしく、ガチガチと音が鳴っている。すると、くぐもった驚きの声が聞こえてきた。

「え……!?」

 布団から目だけ出した菜摘が驚いたようにオレを凝視したかと思うと、慌てて布団の中に引っ込んだ。

「なんで隠れんの」
「いや、だって、わたし今、髪ぼさぼさだし」
「いーじゃん、別に。つか、大丈夫?」
「………まあ」

 菜摘は早口で言い訳を並べていたが、体調に関して問いかけた途端に歯切れ悪く返してきた。煮え切らない口調からピンと来る。そゆこと。布団に包まりながらうんうんと唸っているエマを思い浮かべながら納得した。

「こいつ、いつからこうなの?」
「え、えええ、えっと、その……今日ずっと、お腹痛そうだったんだけど……、体育の後、すごい、しんどそうだったから、保健室に来た……」

 問いかけると、リカちゃんはおっかなびっくりしながら答えてくれた。目が左右に泳いでいる。体中が震えている。オレとリカちゃんの最後の絡みはオレがリカちゃんの机を蹴飛ばそうとしたところで止まっているからだろう。リカちゃんは、めちゃめちゃビビっていた。

 あれから、菜摘はリカちゃん、そして他の女達とも普通に過ごしていた。場地の墓参りの後、菜摘は自分の近況をぽつぽつと話し始めた。勇気を振り絞って伝えようとしてくれているのは、なんとなくわかった。

 ハブられている事をオレに知られた時、菜摘は恥ずかしそうだった。顔を真っ赤にして『気にしてない』とアピールしていた。
 見ればすぐわかる虚勢を張っている菜摘はみっともなかった。馬鹿だった。情けなくてダサくてだけど弱さを恥じる気持ちは、すごく、わかるもので。

 泣くのを必死に堪えている姿を真正面から捉えた時、オレの胸の奥底を、今まで感じた事のない気持ちがさすっていった。

 菜摘をガン無視したり聞こえよがしに悪口を叩いていた女達はオレが凄んだら恐れをなし、謝ってきたらしい。けど、リカちゃんだけは真摯に謝ってきたそうだ。それまで事の経緯を報告書を読み上げるように機械的な口調で話していた菜摘だったが、リカちゃんに謝罪された経緯に差し掛かると『嬉しかった』と、笑った。幸せそうに頬を緩ませる菜摘を見て、リカちゃん、殺さなくてよかった。心の底からそう思った。

 オレが原因で菜摘がハブられている事を知った時、一虎の事で気が立っていた事もあり、菜摘をハブる奴ら見過ごしていた奴ら全員殺したいと思った。どいつもこいつも。なんで、オレのモンに手ェ出すんだよ。

『一人殺すのも二人殺すのもクラスメイト全員殺すのも、皆一緒だろ?』

 燃え盛る殺意を煽るように、オレの奥底に眠るドス黒い何かがそう囁いてくる。ああ、そうだな。その通りだ。疑うことなく、すんなりと同意する。

 同意できた。
 
 墨で塗りつぶしたように真っ黒い何かは、今も腹の底で蜷局を巻いている。

「あ。てかMD持ってくんの忘れてた……ごめん、明日持ってくる」
「あーいいよ、別にいつでもー。てかわたしも漫画今度持ってくるねー」

 気の置けないダチとじゃれ合う菜摘は楽しそうだった。リカちゃんに感謝する。

 ありがとう。
 よかった。
 オマエが、菜摘に謝ってくれて。

 場地の葬式の後。菜摘の声はずっと脳に残っていたというのに、学校≠フ存在は忘れていた。学校に行く準備をしているエマを見てようやく思い出す。
 
 菜摘がひとりで給食を食ってる姿。
 遠くからぶつけられる、心を削る言葉の群れ。

 菜摘に向けられた嘲笑を思い出すと、すうっと何かが引いていった。
 頭は煮え立つぐらい沸騰しているのに、心は氷点下まで達するように、冷えきっていく。
 
『エマ。今月の小遣い、全部やる』
『……え?』

 慌ただしくカバンにポーチやらペンケースを詰め込んでいるエマの背中に向かってそう言うと、エマは振り向いた。藪から棒なオレの発言に驚いていた。大きな瞳を丸くして、オレを凝視している。

 直接、確かめてもいい。
 けどオレが現れた途端、巧妙に隠すかもしれない。

『だから、オレの教室、気付かれないように見てきて。川原菜摘って奴、髪、こんくらいの。背はこんくらい。どうなってるか見てきて』
『なんで?』

 訝しるように眉を潜めて問いかけるエマ。

『オレのモンだから』

 だから、傷つける奴らが憎い。
 オレから奪い取ろうとする奴らが許せない。
 例え、菜摘が許したとしても。

「リカちゃんありがとな」

 声に出して礼を告げるとリカちゃんは目を見開いて口をポカンと開けた。菜摘を傷つけずに済んだのは、リカちゃんのおかげだ。リカちゃんが謝らずに今もくだらねぇこと続けてたら、オレは自分を律せなかっただろう。どう動いていたかわからない。
 にこにこ笑って礼を言うと、リカちゃんはまだ口をポカンと開けていたが、やがて、少しだけ頬を赤らめさせた。けどすぐにぶんぶんと首を振り、菜摘に「違うからね!」と大きく声を張り上げる。

「今の! 違うからね! わたしちょっとジャニオタなだけだから!」
「何も言ってないよ」

 冷めた目つきで呆れながら突っ込んだ菜摘に、リカちゃんはホッと胸を撫でおろすと「じゃあ、そろそろ戻るね」と踵を返そうとした。菜摘はリカちゃんに「ばいばい」と手を振ると「佐野君も」とオレに視線を滑らせる。

「お見舞いありがと。もう戻りなよ。給食食べ損ねちゃうよ」
「やだ」

 リカちゃんが座っていたパイプ椅子に腰を掛ける。布団から覗いている菜摘の目をじいっと見つめながら、確定事項を淡々と伝える。

「ここにいる」

 それから「あとマイキーって呼べってば」と唇を尖らせて注意した。菜摘は目を見張らせてオレを凝視する。視線が絡まった何秒後かに感嘆の息が聞こえた。ぎょっとした菜摘がリカちゃんに視線を飛ばすと、リカちゃんは真一文字に結んだ唇をむずむずと震わせながら、視線を明後日の方向に泳がせていた。

「リカちゃん、ちょっと待って、」
「あとで聞かせてね!」

 言うが否や、リカちゃんはカーテンをちゃんと閉めて出ていった。菜摘は「ああ………」と何とも言えない感情が籠められた息を吐く。

「なに、どした」
「いやぁ……まあ……うん…………何も期待することないのにな………少女漫画の読み過ぎ………」

 呆れと若干の苛立ちを滲ませながら、菜摘はぼそりとつぶやいた。リカちゃんが少女漫画を好きな事に何の興味も持てず、「へー」と適当に返してから「腹、どんくらい痛い?」と問いかける。

「んー…まあ、そこそこ……。まあ、でも、さっき薬飲んだしね。ちょっと眠くなってきたし。効き始めたんだと思う」

 菜摘はふわあ、と欠伸すると「佐野君、」と言いかけやがったので目で制した。マイキーって呼べってば。菜摘は目玉を左右に動かしてから「……マイキー君は、」と小さな声で言い直した。恥ずかしそうな声が鼓膜の中をくすぐるように響いた。

「結構、面倒見いいよね」
「オレのモンのメンドー見んのは当然だろ」
「マイキー君、すぐそれ言うよね」
「オレのモンはオレのモンだし」
「ジャイアンじゃん……」

 呆れたように呟く菜摘に「なんだよー」と唇を尖らせる。だって、そうとしか言いようがない。オレのモンはオレのモン。そこに何の理屈もない。オレのモンってオレが決めたら、そうなんだよ。

「ちゃんと見とかねえとさ」

 オレのモン。だから、オレ以外の奴は触れない。奪えない。だってオレが所有しているんだから。
 ケンチンも、タケミっちも、エマも、場地も三ツ谷もパーちんも、東卍は皆、オレのモン。

 オマエはオレのモンだ
 
 事あるごとに口にした。大切だと思う奴等全員に言ってきた。
 同じ言葉を何度も何度もなぞるように口にして確かめないと、そうしないと、

「失くすかも、しんねえし」

 どこかへ行ってしまうような気がした。

 ……あ。やべ。妙なことを口走ってしまったことに気づき、ばつの悪さから口をつぐむ。動揺を抑えて菜摘に目を遣ると、菜摘は目を閉じて口元まで布団で覆っていた。本格的に眠くなったのだろう、今の発言をあまり気に留めてないようでホッとした。

「なんてなー。ビビりの真似」

 へらっと笑って茶化してみせる。拳を、ぎゅっと握りしめながら。菜摘は布団をかぶっているから、オレが何をしているか見えない。

 菜摘といると、いつもこうだ。肩の力が自然と抜ける。
 ぬるま湯に浸かるように芯から暖まって、心がほぐれる。
 見せてはいけない部分を見せてしまう。

「びびったっていいじゃん」

 掠れた声が、はらりと舞うように落とされた。

 その声に神経という神経が一瞬動きを止めた。菜摘は今にも眠りに落ちそうなのがわかる、小さく掠れた声でその先を続けた。
 
「怖がったって、大丈夫だよ」

 ガキに言い聞かせるような口振りだった。いつかの、場地の墓の前を思い出す。

『頑張ったね』

 小さく柔らかな手のひらの感触を、まだ、覚えている。

「今、ここにはさ。東京卍會の人も、佐野君の家族もいなくて。佐野君が必死になって守らなきゃいけないものは、なにもない。いるのは、体調が悪いわたしだけ。佐野君なら、デコピンで倒せるかもね」

 微かな笑い声が布団の向こう側から聞こえた。だけどオレは笑う気になれない。
 じんじんと頭が痺れている。皮膚の下で、血が暴れ出している。強く強く、脈打っている。

「わたし、不良の知り合いとかほぼいないから、誰かに言う事もないし。
 だから、大丈夫。ビビっても、怖くても。
 弱くたって、大丈夫だよ。今は、佐野君とわたししか、いないんだから」

 菜摘の声は少しずつ小さくなり、最後はやがて火が消えるようにして止んだ。しいん、と静寂が広がる。ややあってから、寝息が聞こえてきた。規則正しい呼吸音が保健室に響く。遠くで誰かがはしゃいでいる声が風に乗ってここまでやってきた。

 昨日、八戒が抜けた。
 またいなくなっちまうか。東卍を抜けると言うのにどこか他人事のように思いながら三ツ谷に任せた。
 三ツ谷のインパルスに乗りながら、変わりゆく街並みをぼんやり眺める。新しくできた店がいくつかあった。その前に何の店があったか思い出せない。インパルスが進む度に景色は変わる。そうやって、時間は過ぎていく。

 だから止めさせた。変わる事にどうしようもない無力感を覚えた。笑っておどけながら、三ツ谷に約束させた。

 そうしないと、多分、耐えられなかった。

 すうすうと、寝息が聞こえる。きっと布団の下では菜摘が間抜けな寝顔を晒しているのだろう。

 ぼんやりと頭が霞む。

『弱くたって、大丈夫だよ。今は、佐野君とわたししか、いないんだから』

 ほぼ消えかかっていた小さな声。だけど鼓膜にずっと残っている。びりびりと、耳の中で震え続けていた。

 コイツ、何なんだろう。

 布団にくるまって眠っている菜摘を眺めながら漠然と思う。不思議というよりも、奇妙だった。コイツって、何なんだろう。

 タケミっちのように根性に溢れている訳でもない。ケンチンみたいに出会った瞬間に光るものもなかった。エマに対して思う庇護欲も沸かない。

 それなのにいつからか、オレの心のどこかに、ひっそりと棲みついている。

 大丈夫じゃねえし。
 駄目に決まってんだろ。わかったような事言うな。

 寝入っている菜摘に心の中で毒を尖らせる。沸々と苛立ちが込み上がってきた。オレは弱い。強いっていうのはシンイチローや、タケミっちみたいに、自分に負けない事。オレが強いのは、腕っ節だけ。だから、オレは強く在ろうとしなきゃいけない。そうしないと、自分を保てない。皆を守れない。だから、駄目だ。そんなこと言うな、そんなこと言われたら。

 肩から力が抜けていく。体の芯が暖まって、心がふやけていくのを感じた。兄貴が死んでから蓋をしていた感情が溢れ出し、頭のてっぺんから足のつま先まで濁流のように侵食していく。

 なんでだろう。

 なんでいつも、

『いつもの佐野君と、なんか、違うし』

 いつも、

『……佐野君、わたし、子守歌吹けるよ』

 いつも、

『頑張ったね、マイキー君』

 そうやって、気付いてくるんだろう。

 光を求めて水面に向かうように、オレは自然と菜摘に手を伸ばしていた。菜摘は依然として目を閉じたまま、すう、すう、と微かに上下に揺らいでいる。寝顔、初めて見た。そう思い至ると全部見たくなって、布団を少しめくる。唇がほんの少しだけ開いていた。乾燥しているからか、少し荒れている。エマならいつもぷるぷるに潤ってんのに。

 親指で触れると、やっぱり、かさついていた。
 
 腹の底から欲望がうねり、螺旋状に巻き上がった。ただひたすらに渇望する。心が、魂が、叫んでいる。

 下唇を親指で押し込むと、菜摘が目をぎゅっと閉じた。んん、掠れた唸り声が零れ落ち、身体中の血管が満ち潮みたいに暴れ出す。

 酸素を求めるのと同然だった。
 水を欲するのと同じだった。
 ただひたすらに漠然と単純に思った。

 菜摘が欲しい。

 ――ガラッ。

「川原さーん? 遅くなってごめんなさいね……さ、佐野君!?」

 ドアが開かれ慌ただしい声と共に保健の女のセンセーが戻ってきた。オレを見るなりすっとんきょうな声を上げ、目を丸くして仰け反っている。

「やっほー」
「お、おひさしぶりね、佐野君。え、あ、あなた……ここでなにを…………?」
「お見舞い。じゃーな〜」

 ひらひらと手を振って保健室を出て、あてもなく歩いていく。廊下を行き交っている、オレを見るなりそそくさと視線を逸らしながら道を開けていく奴等は、菜摘に似ていた。どこにでもいる、何の変哲のない中坊。菜摘だってそうだった。ずっとどうでもよかった。いてもいなくても変わらなかった。

 ――だけど。
 足を止めて、天井を仰ぐ。昼だからか蛍光灯は点灯されていない。だから廊下は少し薄暗かった。窓から差し込む冬の弱い陽の光が、オレを照らしている。

 普通のどこにでもいる奴。だから、きっと、オレが寄りかかったらつぶれるだろう。これ以上は近づいてはいけないと警告音が鳴らされる。

 頭が痛い。頭の内側から聞こえる警告音がうるさくて、たまらず髪をぐしゃりと掴む。

 オレの弱さはオレのモンだ。
 他人に見せんな。自分で処理しろ。
 必死に必死に必死にそれこそ呪うように言い聞かせる。

 それなのに、

『弱くたって、大丈夫だよ』

 柔らかい声が、いつまでもいつまでも、鼓膜に残り続ける。

 心はずっと同じことを言っていた。必要だから仕方ないとなりふり構わず、みっともなく、求めていた。

「…………うるせぇ」

 小さくぼやいた時、風が強く吹きつけた。でかい風で、オレの声をあっという間に呑み込む。
 だけどそれでも。皮膚の下で脈が強く振動する音は、聞こえていた。









But I never walk backward.



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