Novel | ナノ


※授業中ですよ。

 


名前の綺麗に6面揃えたルービックキューブが教師が黒板を向いている時、飛んでくる。

 そしてオレは飛んできたルービックキューブをパシッとキャッチし、即座にぐちゃぐちゃにしてやる。
初めて飛んできた時は脳天にストライクでぶつかったが、、、城之内様をナメてもらっちゃ困るぜ名前…!

授業中のこのやり取りにも今は段々慣れてきていて、正直な話、楽しい。

 初めは何の嫌がらせだよと思っていたし、さてはあの時の復讐か。仕方ねぇなぁと名前の復讐に付きやってやってたつもりだった。

 オレは何も考えないでぐちゃぐちゃにすればいいし
アイツはアイツで何も考えずに全面を揃えてくる。
――たったそれだけの遊び。




「(名前〜)」
と最大限に絞った声で呼ぶ。

 教師が黒板を向いた時。
それが合図ってのは分かってんだけど、万が一名前が気付いていなくて怪我でもさせたらまた一層嫌われてしまう。
…オレとしてはそれだけは避けたい。

このルービックキューブはオレ達の一種のコミュニケーションとなっていた。だからそれさえ飛んでこなくなるんじゃねぇかと思うと気が気でない。

アイツが揃えて、オレが崩す。単純だ。
別にオレじゃなくても自分で崩しゃ良いだろって前に聞いた時
「手が崩した方向を覚えてる」
から動作を逆にすればいいだけで全く意味がねぇんだと。スーパーマン、いや、スーパーウーマンは違ぇな。どんな頭してんだ。

 投げるなら遊戯のが良いんじゃねぇか?
と聞いた時には
「遊戯くんは優しいから」
という意味不明な返事を言ったその理由、今なら分かるぜ…
遊戯ならここまで崩しては返ってこないだろうな!
フッと笑って手元を見た。キューブはそれはそれは目がチカチカする色の並びをしていた。

気のせいかも知んねぇけど、なんか初めの頃よりサイズがでかくなってないか…?




 後にオレは聞く事になる。
「気付いてなかったの?4×4は流石に慣れちゃったから
 今は6×6の学校に持ち運べて且つ投げても他の人にぶつからずに城之内に渡せる限界のサイズなの」

7だと投げるにはちょっと大きいんだよねぇと。
それに、遊戯の爺さんから貰った物はボールチェーンに繋いで腰にぶら下げてるらしい。


あー!ムカつくぜ名前のヤローっ
最近口調ってか態度が海馬に似てきてんのもマジでムカつく!

…けど、慣れたと言う名前の言葉が
心なしか嬉しかったオレがいた。

[Novel TOP]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -