なんかワケわからんコスプレ集団と電波男と中二病真っ盛りなオッサンに絡まれてムシャクシャしたからイッシュリーグをコンプしてやった俺です。
友達になった年下のトウヤ君とトウコちゃんとチェレン君とベルちゃんが、コスプレ何とか団を倒しまくるのを影でサポートしてたらいつの間にかこうなってました。
死ぬ気で色々頑張ったのに未だに友人には会えていないのは何故だろう。折角チャンピオンにまでなったのに家に帰れる気配は全くなかった為に、泣く泣く旅を続けることになった現在、俺は泣いている。胸の内で。
チャンピオンになって良かったこともある。
例えばアララギ博士という人に戸籍を作って貰ったことと、今まで戦ったトレーナーたちからの戦利品とリーグ優勝賞金で結構な額の金を貰ったことだ。
これも全て俺の実力じゃなく、姉さんたち率いるポケモンたちのおかげ。ありがとうございます姉さん方。このご恩は忘れません。
あ、因みにアララギ博士っていうのはカントー地方で言うオーキド博士的な存在らしい。
女の人でも博士っているんだね。びっくりした。
まぁアララギ博士のおかげで身元がやっと作れた俺は色々問題は残しつつ束の間の平穏を手に入れた。問題というのはトレーナーカードとか無いのにポケセン使ってたこととか、ジムに挑んだこととか、うん本当に思い出すのが面倒になるくらい色々ある。
最初バレたときは、ヤベームショ行きだコレオワタだったんだけど、何とか団倒した功績があるから免除してくれるんだって。
これ聞いた時はマジで泣いた。無力ながらも友達見捨てずに助けて良かったと心底安堵した瞬間だったよ。心優しい子達を一瞬でも見捨てようか迷ってた俺に今の状況伝えてやりたいわ。見捨てちゃイカン。助けよ友人を。真面目な話、世界とかはどうでもいいから友人助けとけ。いいことあるから。

で、色々あって全部清算したんだけど。
俺、実はイッシュ飛び越えてシンオウに行こうと思ってる。
いやなんかアララギ博士から聞いたんだけどシンオウって時空間を操るスーパーハイパーなポケモンがいらっしゃるそうなんです。これ聞いたらアレだろ?何が何でも行かなきゃいけない気がするじゃん?あわよくばそのまま帰れるかもしれないし。友人見つかるかもしれないし。

てかそういえば友人どこ行きやがった。まさかアイツ、廃人レベル鍛える為に世界練り歩いてるんじゃないだろうか。
無いと信じたいがあり得る。アイツならやる。確実にやる。何しろアイツは俺がこっちの世界に来たこと知らない。
今更思い出したけど、俺ってアイツがDSに吸い込まれた後に吸い込まれたんだよ。当然友人が知るわけがない。
つまりアイツは今一人だけでこっちの世界来てしまったと思ってる訳だ。ポケモン大好きなアイツがこの世界を堪能しないと思うか?…そんな訳がない。アイツは欲望の赴くまま走る筈だ。コンプコンプと叫びながらポケモンと出会う旅に出ているに違いない。今のポケモンが何匹いる知らないが、友人ならコンプするまで諦めない。山だろうが谷だろうがかけ上がる。
一縷の希望をかけてアララギ博士に今世界にいるポケモンの数は何匹いるのか聞いてみた。
返ってきた答えは600匹以上いるとのこと。正直に言おう。俺は泣いた。
しかも地方や大陸によって棲んでいるポケモンの種類は変わるらしく、まだまだ未確認のポケモンもいるだろうから今後は700とかもっと増えるだろうとも言われた。俺はここで正気を失いたくなった。ポケモンっていつの間に151匹じゃなくなったの?
…いやよくよく考えると俺の手持ちって151匹以外のポケモンだったわ。その時点で気付くべきだったんだろわかります。
てか現時点でそうなると会える確率はほぼ0%になるわけで…嗚呼うん諦めた。友人と再会すんのは無理だ。
あまりの悲しみに涙がちょちょ切れるのを抑えながら、俺はシンオウへ旅立った。

手持ちはいません。全員アララギ博士のとこに預けた。
本当は野生に返したかったんだけど、そう言ったら皆が一斉に怖い顔するから無理だった。

俺、泣いた。



残念ながら地獄行き(俺の友人3)
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