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140字詰め合わせ

幸せなんて昔に捨ててきた、自分には必要なかったから。「ため息をつくと幸せが逃げるぞ」優しさも温もりも捨てた、持っていたら人なんて殺せないから。「険しい顔をしてどうかしたのか?」捨てた筈なのに、「いつでも傍にいるからな」笑った主の顔が忘れられないなんて。『胸がくるしい』(佐助→幸村)

憎しみか歓びか、はたまた私が知り得ない感情なのか。問答無用で彼を残滅して、原型を留めない位に残滅をしてやりたい。あいつの血潮を浴びてこそ、私は新しい歩を進められるのだ。そうわかっているのに、トドメのさせない私に吐き気がする。『未遂。』(▽→▲)

「手を貸せ、佐助!」「俺様と弁丸様は友達じゃなくて主と忍なの。だから手を握るなんて許されちゃいけないんだって」「むむ…では命令ならいいのだな? 手を繋いで御館様の所まで帰るぞ!」「……はいはい」伸ばされた手のひらは小さくて温かった。『てつなぎ』(佐助+幼少幸村)

「前から気になっていたのだが、貴様の目は見えているのか?」「なに、ぬしの邪魔をせぬ程度には戦えるであろ」「そういう問題ではない! 私がもう少し早く気付いていれば、どうにかなったかも知れないのに」「ぬしに心配されるだけで、われは充分よ」『盲目』(三成と吉継)

なぜか目の前にいる風魔を追い払おうと得物へ手を伸ばした刹那、彼は逃げる所か俺を抱き締めてきた。予想外の展開に、正常に働かない頭で風魔の顔を見ても相変わらずの平然とした顔をしている。無表情で行うこの動作は、風魔にとって一体なんの意味があるのだろう。『無表情』(風魔+佐助)

市の根本は長政と正反対にあると思う。だから市と長政様は決してわかりあえないのだ。例え市が、どんなに長政様が好きでも、長政様には理解して貰えないのだ。もし愛に熱があるというなら、その熱で市と長政様を融解させて欲しい。そうしたら、二人仲良く解け合う事ができるから。『どろどろに』(市→長政)

雨が降っている。空は鉛色で気分がどんよりと沈んでも可笑しくない状況だ。けれど、熱血漢な主が同じ傘の中ではしゃいでる姿は、雲の狭間からの太陽のように晴れやかであった。それは戦場の姿とは打って変わって微笑ましい光景で、憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる。『雨の日』(佐助→幸村)


2011/10/15
BSR
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