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*あなたを閉じ込めたいのです。(李楽)

現パロ李楽。










「なぁ、楽進。どこにキスを落とすかで意味が変わるって、知ってるか?」
「な、なんと……」
 ぱちくり、とまばたきをしながら驚いた顔をする楽進に、李典は得意そうに笑った。
「額、瞼、頬、首筋……どこにキスをするかで、意味合いが変わるらしいぜ」
 李典は言った順番に、緩慢な手の動きで楽進の顔を撫でていく。その、まるで這うような触り心地に、楽進はびくり、と小さく肩を動かした。そんなつもりじゃあ、なかったんだけどな。李典は首筋から鎖骨へと指を動かし、浮き上がった骨の形をなぞってから肌から手を離す。楽進はどこか名残惜しそうに、行き場を失った手を見ていた。
「私はそのようなものに、疎いので……」
 すみません、と反射的に謝ろうとする楽進の唇に李典はそっと手を当てる。それ以上言うな、という李典の気持ちを汲み取った楽進は、口をつむぐ。その光景に李典は満足そうに笑ってから、ローテーブルの上に投げ出されていたスマートフォンを手にとった。音をたてずにタイピングした李典は、ひとつの画面を楽進に見せた。白地に黒い文字で書かれた質素なページには、どこにキスしたらどのような意味かという一覧が書いてある。それを興味深そうに眺める楽進の姿を、李典は愉快そうに眺める。まるで小動物のようだ、と思いながら。年は楽進の方が上であったが、小さな体躯をあいまってか李典と同じか、李典より年下のようにみえる。
「面白いものが、あるのですね」
「まぁ、誰が言い始めたかなんかは、わからないけどな。……なぁ楽進、あんたならどこにしてもらいたい?」
 スマートフォンを床に投げて李典は楽進に笑いかければ、楽進は困ったように眉尻をさげる。李典より年上の彼は、つい最近まで色めきたったことに一切興味を示さないスポーツマンだった所為かこういう話に弱いのだ。私は、と言ったきり口を開こうをしない楽進に李典はじっと待っていたのだが、そっと目を逸らされたまま言ってくれない。求めたいのに、恥ずかしくて求められない。その光景はかわいらしいものであったが、そんな相手を眺めているだけでは李典は満足できやしなかった。目の前で座っている楽進の肩へ手を伸ばし、背の割にはがっちりとした身体を抱きしめる。なぁ、と李典は楽進の耳に息を吹き込むようにしながら話かける。穴も開いていない綺麗な耳朶を舐めたい衝動を、ぐっと我慢する。
「俺はさ、楽進の腰にキスしたい」
「腰? く、くちびるとかじゃ、ないんですか」
 くちびる、と恥ずかしそうに言う楽進が愛おしい。李典は楽進の背中から腰骨まで、程よくついた筋肉をくすぐるよう撫でながら、からかうように笑った。楽進は李典の、舐めるように腰をなぞる指に昨夜の行為を思い出したのか、うっすら頬に朱が入る。何度もしているのに。そう、李典は声には出さずに笑う。李典は未だ慣れず、行為を匂わす動作だけで生娘のように赤くなる楽進が、好きだった。
「楽進の唇にするのも好きだけど、意味だけ考えたら腰がいいなってな」
 李典は骨盤の辺りを指で輪を描くように撫でてやると、くすぐったいです、と楽進身体を捩って逃げようとする。
「……したい」
「李典殿?」
「楽進の腰にキスして、もっと、いろいろしたい」
「……構いませんよ、李典殿」
 代わりに私も、李典殿にキスしていいですか? いつもは目線を合わせて話す楽進が、少し顔をそらしながら言う。いじらしいその姿に李典は耐えきれなくなったのか、楽進を乱暴に床へ押し倒す。いきなりの行動に理解が回っていないのか、楽進は呆然とした表情をしていた。楽進のカッターシャツをめくりあげて、李典は楽進の程よく焼けた肌を舐める。しょっぱい汗の味すら、愛おしい。李典はやんわりと、楽進の肌に歯をつきたてるように噛み付くようなキスを落とした。


▼続きは有料です。


7分以内に1RTされたら李楽が冗談交じりに腰に束縛のキスをされるところを描き(書き)ます http://shindanmaker.com/257927

2013/03/17
msu
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