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その呪い 僕にくださいね(李典→楽進)

一番槍を。そう言いながら、前線で戦いたがる彼の身体は傷だらけだ。腕だけでもなく、顔にも一本大きな傷跡がある。彼は「一番槍を貰った結果です」と、さして気にしていないようだったが、李典の頭の中は嫉妬で一杯であった。その反面、彼に傷を付けた人々が羨ましくもあった。自分が彼を傷付けたい訳ではなかったが、彼に自分がそこにあった、という印がついているのが耐えられないのである。顔にある傷跡に舌を這わせ、甘噛みしてやれば彼はくすぐったいからやめてください、と俺の肩を押す。戦場で得物を振り回している時とは大違いで、肩に手が触れるくらいにしか力が入っていない。嫌がるというよりは、強請っているようにしか思えない態度。我慢のならなくなった李典は楽進の唇に、小さな子供がするような触れるだけの口付けを落とした。


タイトルは選択式御題 さまさまよりお借りしました。

2013/03/12
msu
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