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愛してるって、言って。(昭鍾)

 さっきから鍾会が、どうも俺の方を見てきているような気がする。「どうかしたか?」「なんでもないです」気になって問い掛けてやっても、つっけんどんな返事をされるだけであった。彼はまた、髪の毛を弄り始める。「女じゃねぇのに、そんな髪を弄ってどうするんだ?」「司馬昭殿には関係ないでしょう」くるくる、くるくると髪を巻き付けては解す動作を何回も繰り返している。この仕草にどこか見覚えがあるなぁ、と思って考えてみると案外簡単に答えが見つかった。「お前……なにか待ってるのか?」「別に、なにも待っていませんよ。」不愉快そうに俺から視線を切った鍾会は、なにかぼそぼそ呟いていたのだけど、上手く聞き取れない。「え?もう一度、言ってくれよ」「あぁ、もう、煩いですね! 私の独り言にいちいち反応しないでくださいよ!」「俺に聞かれちゃ、まずい事か?」「えぇ、聞かれたら不味い事ですよ! あなたに愛してると言われ……あ」いきなりの告白をした鍾会の顔は一気に真っ赤になって、彼は隠すように顔を下に向けて肩を震わせてはじめた。素直じゃない、と思いながら耳元で「愛しているぜ」と囁いてやった。


昭鍾への3つの恋のお題:愛してるって、言って。/君の声が聴こえた気がした/願い事、ひとつ http://shindanmaker.com/125562

2012/06/19
msu
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