今日で綱海さんとおれがお付き合いし始めて1年がたとうとしている。女々しいかもしれないが、記念日とかは一緒に過ごしたい。練習中なのに、こんなことを考えていてため息なんて馬鹿らしい。 おれがそんなことをぼんやり思いながら、隣にいる桃色のもふもふを揺らし笑っている綱海さんと目がぱちりとあった。熱をもつ早さと心臓の早さが同じになった…気がした。

「あの、綱海さん。今日、夜…綱海さんの部屋に行っていいですか?」
「あ、ああ。かまわないぜ」
「あ、ありがとうございます!じゃあ、おれ、円堂さんに話しがあるんでっ、…!」

逃げたくて、嘘をつき、返事を聞いて返すとおれはすぐに回れ右をして、綱海さんに背を向けた。嬉しくて恥ずかしくて、赤いとかはわからないけど熱くなってにやけている顔を隠したくて、走りさろうとしたとき綱海さんに腕を握られた。どきんっと心臓が跳ねて、息が一回分止まった。

「立向居、ちょ、待てよ」
「はい」
「あの、な。立向居は覚えてるかわかんねーけどよ」
「はい」
「俺ら付き合って一年たつわけで…」
「はい」
「今日は、その…だから、他の奴のところにいってほしくねぇんだ」
「はい、行きません」

同じことを思っていて嬉しくなった。振り向くと綱海さんは真っ赤になっていた。髪の毛と似合っている。じゃなくて。どきどきと高鳴る胸の音は煩いとか考えていたら、綱海さんの腕の中にいた。

「つ、綱海さん!?みなさんが…」
「しるか。夜に立向居の言うこときくからよ、昼は俺のこと聞いて」
「あ、…はい。あと、その、おれ、覚えてましたから。だから、今日、つ…綱海さんの部屋に泊めてくださいね」

おう。とにかっと笑う綱海さんの笑顔が素敵でした。(照れながら笑う立向居の笑顔が可愛かったぜ)

今日けは、
邪魔れたくないか
(セントポーリアにキスをした)

(明日から名前呼びな!)
(ええ、恥ずかしいです)
(0時回ったぜ、勇気)
(そそ、そんな…!)









四月馬鹿にご用心!に提出しました。
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