ハニートラップ

「データは送っておきます」
『分かったわ。…程々にね』

ベルモットとの通話を切って深くため息をつく。

「…反省しました?」
「ん、んんっ、」
「その様子だと、していないようですね…」

ベッドの上で手錠をつけ、口を布で塞がれた名前の喉元をそっと撫でると、ぴく、と身体を素直に震わせる。

「ん、んーっ!!」
「何です?何か文句でも?」
「ん、ぅ…っ!」

喉元を撫でていた手を段々と下へ持っていき、谷間を軽く撫でる。すると名前は顔を真っ赤にして涙を浮かべた。

「…仕方ないですね。何か言うことは?」

口元の布を取ると、名前は大きく息を吸って叫んだ。

「っは、バーボンには関係ないでしょう!?どうしてここがっ…あ、やっ…!」
「せっかくチャンスをあげたのに…馬鹿な人だ」
「嫌っ…!」

思いっきりブラウスを引っ張ってやればボタンは簡単に飛び散り、可愛らしい下着が見える。その上から軽く胸を揉んでやれば、名前は何度も首を振ってやめて、と懇願してきた。

「…もう一度聞きます、僕に何か言うことは?」
「……勝手に任務に手を出して、ごめんなさい」
「…棒読みですが、まあいいでしょう」

そう、僕が何故こんなに怒っていたか。
名前は僕のターゲットである男の元へ行き、あろうことかハニートラップを仕掛けて情報を抜き取ろうとしたのだ。もう少し来るのが遅ければ確実にターゲットに組み敷かれていた…これ以上は考えたくもない。

「どうしてこんなことしたんです」
「……」
「…そのまま黙っているつもりですか?」
「ひっ…!」
「僕はここで貴女を抱いても構わないんですけどね」

する、と太腿を撫でてやれば名前は慌てて口を開く。

「バーボンに!」
「…僕が?」
「……バーボンに、コードネームはハニートラップ下手だからって言われたのが癪だったから…」
「……まさか、それだけの理由で?」

そう聞くと、名前はさらに顔を真っ赤にして悪い!?と睨んでくる。全然怖くはないが、可愛らしい。まるで飼い犬に少し牙をむかれている気分だ。

「私だって、ちゃんとハニートラップくらい…!」
「出来ていませんよ」
「え…」
「こんな簡単に組み敷かれてしまうんですから。このまま抱かれて骨抜きにされて逆に情報を抜かれたらどうするんです?」
「う…」

言い返す言葉もないのか、名前はそっぽを向いてしまった。

「…コードネームにハニートラップなんてさせません」
「させないって…」
「お前は僕のものだ」

そっぽを向いてくれていたおかげで丸出しになっていた首筋に吸い付くと、綺麗な赤い華が咲く。
僕のものだという印。

「今度こういう真似をしたら、容赦なく抱き潰しますからね」

不敵に笑うバーボンに、名前は身震いした。
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