「世界は数式ですべて解けるんだと思ってた」 男にそぐわない長い髪型をしている彼は、この世の常識にもそぐわない考えを持っていた 「ポケモンと人間は交じりあうことはあっても、人間の手によって支配されたりするのは僕自身許されないことだった。それは数式が当てはまるように、僕が見た現実もそれを証明したからね」 だからこの世は数式で解けると思った。彼はそう言いながら空を見上げた。つられて見上げてみると、雲に覆われた空はまるで白い空のよう 「だけど、君に会って、数式はもろくも崩れた。ポケモンと人間が交じるだけじゃない。仲間として互いを助け合う絆を知った。そして」 Nは私の顔を見つめていることに気づいて、私も彼の目にひかれて目を見つめた 「僕が、どれだけちっぽけな人間だったかと知らされた」 その目は強く、それでいてもろさも感じた 「だけど君は、こんな僕でさえ愛してくれると言った。こんな僕でさえ、君をいとおしいと感じた」 こんな僕だけど、それでも、愛し続けてくれるかい? 終始黙っていた私はようやく口を開いて、当たり前だよ、と笑顔で彼を抱きしめた 2010/11/20 企画「Nさん企画」に提出 |