最強!聖域の天使様 | ナノ

03-01


その日の分の復興作業を終えて祭壇宮に戻った私達は、世間で言う『女子会』には程遠いかもしれない聖域流の女子会をした。
仮面を外して一緒にお風呂に入って、日本で入手してきたお酒の缶を片手に(ジュネはジュースだけど)愚痴だったり、ジュネの恋バナで盛り上がったりして。





「それにしてもさぁ、シャイナも難儀な男に惚れたもんだよね。よりによって超鈍感の星矢だよ。しかも自分がモテモテなのにも気付いてないし。」

「まったくだね。アンタの好みが分からないよ。」

「なっ…、仕方ないだろ。星矢に素顔を見られちまったんだし、殺そうにもアイツには敵わないんだ。」

「まぁ、師匠の私が言うのも何だけど、あんなに強くなるとは思わなかったよ。」

「それが、天馬星座の宿命なんだろうね。」


そう。
歴代の天馬星座の聖闘士がそうだったように、星矢もまた神を倒すまでの強さを持ったのだ。
あの聖戦を思い出してしみじみする。
私は冥界で、魔鈴達は地上で戦ってこの地上を守りきった聖戦。
魔鈴やシャイナ、ジュネ達地上組は戦況も分からないからやきもきした事だろう。
私だって、サガ達に冥界に送ってもらってから、冥闘士の 雑 魚 共 を倒していた時や、ジュデッカで嘆きの壁を破壊して消滅した後も、戦っている星矢達が気掛かりだった。
だけど、星矢達はそれまでと同様に命の炎が尽きそうになってもなお小宇宙を燃やし続け、結果的に勝利を手にしたのだ。





「…ねぇ、アンジェロは甦った時に普通の人間になったと聞いたのだけど。」

「ん?瞬から聞いた?」

「ええ。あ、特に深い意味はないのだけど、私も見てみたかったな。」

「………試してみるか。」


ジュネの話を聞いて私がそう呟くと、隣に座っていた魔鈴がなんの事かと尋ねてきた。
だから、甦ってから感じていた些細な違和感について話したら、自分達も見たことはないから試してみろとあっさりと言ってのけた。
まぁ、考えるよりも行動ってのは私の信条だ。
そう思って目を閉じて精神を集中させると、感じていた違和感の正体が分かった。
それと同時に、バサリと言う音がして、私の背からは天使の象徴たる純白の大きな翼が現れた。





「うわー、やっぱり天使のままじゃん…。」

「こ、これがアンジェロ本来の姿……?」

「そう。星座を司る天使ラティエルの姿。でも、おかしいなぁ…、死んだら普通の人間として転生するはずなのに……って、そうか!」


確かに、死んだら転生する際に普通の人間になれる。
だけど今回は、沙織達神様が生き返らせたから、死んだのと違うんだ。
だからまだ翼がある…と言うか天使のままなのか。
そんな事を冷静に考えていたら、下の方から急速に近付いてくる小宇宙がいくつかあったから魔鈴達に仮面をつけるように促して数秒後、居住区の入口で聞き覚えのありまくる声が聞こえてきた。






「アンジェロ!入るぞ!」←既にドア開いてる

「…ってシオン!返事を待ってから入れ!!」

「それよりも何なのだその翼は!?人間になれたのではなかったのか!?」

「カノンもか!?ちょっと落ち着けみんな!」


部屋に雪崩れ込んできたシオンとカノンとサガ、五老峰師弟にシベリア師弟、そして愛弟子ミロ、それにシュラやアフロディーテまでもがいる。
って言ってる間に中羊小羊に牛に蟹など黄金聖闘士全員と青銅一軍全員が揃ってしまった……orz





「結局みんな来たのか…。」

「アンジェロの小宇宙が燃え上がったからね、心配になったのだよ。」

「うむ。してアンジェロよ、これはどう言う事なのだ?」


シオンにそう尋ねられて私はそれまで感じていた違和感についてと、天使のままだと言う事についての、自分なりの憶測を話した。
するとその場にいた一同が納得した様子を見せた。
甦る、と言うのは転生する事とはまったく別物なのだ。







1/4
  

[TOP]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -