ある休日の朝。




朝食の支度を済ませて弟を起こしに行こうとしていたクレアの前に、D家の長男でありクレアの恋人でもあるエースが立ちはだかった。




「あ、エースおはよ。」

「…おぅ。……それよりクレア、お前最近バイト以外の日も帰り遅いけど何やってんだ。」

「あれ?言ってなかったっけか。今バイクの免許取りに行ってるんだよね。…………言い忘れたのかな。」

なにぃぃ!!?」










静かな自宅内にエースの声が響き渡った。
あまりの声の大きさに、リビングで茶を飲みながら新聞を読んでいた祖父はビックリして思わず茶を吹き出し、自室て惰眠を貪っていたルフィも『なんだなんだ!!?』と飛び起き、階下にかけ降りてきた。





「な、な、な…何言ってんだ!兄ちゃんはそんな事ひとっっことも聞いてねェぞ!!!」



エースが自らの事を『兄ちゃん』と呼んだのを聞いたクレアは『ヤバい』と呟いて顔を顰めた。
エースがこうなると、普段よりも過保護になってしまうからである。





「お前、何で兄ちゃんに相談しねェんだよ!!」

「だって、エースに相談したってOKでないし。じいちゃんが許可してくれたから問題ないし。」


クレアがシレッと言うと、エースはリビングで茶を啜る祖父をキッと睨み付けた。
だが、ガープはそんなエースの視線に怯むどころか平然と口を開いた。



「そんな過保護になる必要もあるまいて。クレアの反射神経はエースだって知っとるじゃろ。」

「……ま、まぁな。でも何かあった時に…!」

「今から何かあった時を心配しても始まらん。」



ガープが言う事も尤もだとエースも押し黙った。
確かに、将来起こるかも知れない事故を心配しても仕方ないとは思う。



「…それでも、兄貴は心配なんだよ。」

「エース……黙っててごめんね。」




ポツリと呟いたエースに、さすがに申し訳ないと思ったのかクレアは素直に謝った。




「姉ちゃんバイクの免許取るんか〜!カッコいいなぁ〜おれも乗せてくれ!」


しししっ、と笑いながらルフィはクレアにねだる。
そんな空気を読めない(敢えて読まないのか)ルフィに毒気を抜かれたエースも思わず笑ってしまった。
ルフィには重い空気をうまく打破する才能か備わっているのではないだろうか、と思わずにはいられない。





「まぁ……もう通っちまってるから仕方ねェ、認めてやるけど怪我だけはするんじゃねェぞ。」

「うん、ありがとね。」


クレアはエースに認めてもらえて嬉しいのかニッコリと笑ってから軽く背伸びをして、エースにチュッ、とキスを贈った。
普段こういう事をなかなかしようとしないクレアからのキスに、不意を突かれたエースは赤面すると同時に、照れたクレアの顔を見て理性の箍が外れそうになった………………



















がしかし。



それに気付いたガープから拳骨制裁を受け、特大のタンコブを作ったままのびてしまったとさ。







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