放課後。




クレアは同級生のサンジと共に、バイト先であるバラティエに向かった。



バラティエはサンジの祖父が経営しているレストランで、サンジの紹介もあり、ここでウェイトレスのバイトをしているのだ。
週に3日、16時から19時30分までのシフトなのは、彼女の家庭事情を考慮してくれているからである。








「ゼフさん、おはようございまーす。」

「今帰ったぜ。」

「おぅ、2人ともサッサと支度してフロアに入れ。」

「はーい。」


クレアは返事をしてから更衣室で制服に着替えた。
フロアに出ると、ちょうど着替え終わったサンジと遭遇する。



「クレアちゅわぁ〜ん!今日もステキだぁ

「……ありがと(汗)」


目をハートにしてクルクルと回転しながら寄ってくるサンジに若干(?)引きつつ、褒めてくれた事に対しては素直に礼を言うと、クレアはゼフに言われた通りフロアに入ったのだった。


























「よーし、クレア。今日はもう上がっていいぜ。」


客も一段落したからな、とゼフが言うと、クレアは頷いて更衣室に戻ろうとした。


「クレアちゃん、もう上がりかい?」

「サンジ。」


厨房から顔を覗かせたサンジが声を掛けてきたからそれに頷くと、サンジは折に詰めた料理を袋に入れてクレアに手渡した。



「帰ったらあの大飯食らいのクソ野郎どもの飯作るんだろ?作ってる間にこれでも食わせとくといいぜ。」

「うわー、今日もずいぶんいっぱい!」

「賄い作り過ぎたのか余っちまってなぁ。棄てるくらいなら、おまえの所の兄弟に食わせた方が食材も嬉しいだろうよ。」


ゼフも厨房から顔を覗かせてサンジの言おうとしていた事を言った。
この2人はクレアだけでなくエースもルフィも気に入っているので、理由をつけてはこうして余った料理を持たせてくれるのだ。



「ありがとう!ルフィ達も喜ぶよ。」

「いいって事さ。本当なら俺がクレアちゃんを送って行きたい所だけど、残念ながらそいつぁ俺の役目じゃねェようだからな。ほら、迎え来てるぜ。」


サンジが親指をクッと立てて外に向けると、その先にはエースが立っていた。
その姿を見付けると同時にクレアの笑顔がいつもよりも嬉しそうに輝いた。

それを見てサンジは『エースには、ルフィだろうと誰だろうと敵わねェな』と密かに思った。



クレアのあんな表情を引き出せるのはエースしかいないし、逆にエースに蕩けるような幸せそうな表情をさせられるのもクレアだけなのだ。






「じゃ、お先に失礼しまーす!」


クレアは他の従業員達に挨拶すると、エースのもとに駆け寄って行った。
それを見送ったサンジは、幸せそうに笑いあう2人を見て苦笑すると、再び持ち場に戻っていった。








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