GutenTag。

おれの名前は方丈那智。
母校でもある聖帝学園高等部で英語教師をやってるんだよ〜。



しっかしまさか、このおれが教師になるなんて学生時代は考えもしなかったけど、人生どう転ぶかわかんないもんだね〜。
まぁ、いろいろあったわけだけど、それもこれもぜーんぶ、おれの隣の席にいる北森真奈美せんせいのおかげで解消されたってワケ。


ほんっと、イヤになるくらいお節介だけど…それがありがたかったし嬉しかった。
だって、双子の兄である慧以外で唯一おれのこと理解してくれた女だからね。
当時学生だったおれが恋をするのも当然の話だったんだ。


卒業式に真奈美に告白したら当然OKもらえて(だって、真奈美がおれを意識してるのは分かってたからね〜)、でもやっぱり、彼女に似合うカッコいい男になりたくて、留学して慧も真奈美もいない場所で1人で頑張ってきて、こうした今を得た。




それにしても……、教師ってのは案外大変なもんだね。
副担任のおれでもこんなんだから真奈美はもーっと大変なんだろうなぁ〜。
あ、因みにおれ、真奈美せんせいのクラス(当然ClassZ)の副担だから。



……天童せんせいの特別な計らいでね。

ほら、学生時代に真奈美せんせいとおれって、一緒にA4の補習のやってたから、それも考慮してくれたってわけ♪





でもさ、真奈美って自分への好意に対して鈍感過ぎて隙だらけだから困るんだよねぇ…。

生徒だけじゃなくて他の教師も真奈美を気に入ってるヤツが多いんだから隙だらけってのもほんっとに困っちゃうんだよねぇ〜。



重要なことだから2回言ったよ。








いや、B6やT6の先生方は『like』ってのは分かってる。
だってあの人達は真奈美の事を妹みたいに思ってるみたいだしね。
だけど他にもいっぱいいるんだよね…。



ん〜困った困った。


え?困ってなさそう、って?
あははっ♪うん、ぜ〜んぜん困ってないよ。だって、おれの中では解決策なんてとっくに見つかってるんだもん。

ただ、真奈美がOK出してくれるか分かんないからね。


でも、おれの方が現状に我慢できそうにないからそろそろこの状況をぶっ壊してやろうと思ってるんだよね〜。











************




時は変わって、毎日恒例となった真奈美の自宅での夕食の時間。

おれが唯一…兄さんにも見せない本当の自分を全開に出来る場所となったこの部屋に入ると、ホッと息を吐く癖が付いたのに気付いたのはいつだっただろうか。
それくらい、真奈美の部屋…と言うか真奈美の隣は心地いい。


……あの当時の、真奈美に出会う前のおれが今の状況を知ったら驚くだろうな。







さて、話を戻すね〜。
真奈美が夕食を作っている間におれはテレビを見てた。いや、本当はお風呂に入ってきたら、と言われてたけど、今日は週末だからここに泊まる予定だからね。後で一緒に入ろうかな〜って。



そんなこんなで夕食も出来て、2人で美味しい真奈美の料理を平らげてから食後におれが買ってきたデザートを食べている時に、何気なく話題を切り出してみる事にした。







「ねぇ真奈美?おれずっと前から思ってたんだけど、真奈美って自分に対する好意に鈍感だよね〜。」

「え、そうかなぁ。」

「うんうん、絶対そうだって!だってさ、おれが学生の頃真奈美を気に入ってたの、ちーっとも気付いてくれなかったし……ってわけで、はい。これ受け取ってね〜。返品は受け付けないよ♪」



一息にそうまくし立てると、真奈美の小さな手を取って左手の薬指に用意しておいた指輪を嵌めた。
……本当は、その白くて細い首に可愛い首輪でも着けて、この部屋に閉じ込めて誰の目にも晒したくないんだけど。
そんな事は出来ないし……って、おれとしてはいっこうに構わないんだけど、真奈美がそんな事を望んでいないだろうしね。
そりゃあ、おれだってもう社会人なんだし?ちゃあんと、真奈美の都合を 少 し は 考えるって!

それはそうと、真っ赤な顔で指輪を嵌めた指とおれを交互に見る真奈美は呆然とした様子だった。




「な、那智君…?」

「うんうん、おれが思った通り、似合ってるね〜。てゆーか、外さないでよね。……外したりしたらどうなるか……分かるよねぇ。」


真奈美の耳元でそう囁くと、彼女は赤い顔のまま頷いた。


「よし、いいこいいこ♪
ねぇ真奈美。そろそろ、おれと同じ名字にならない?おれは真奈美以外の女なんか興味ないし、真奈美にもおれ以外の男を見て欲しくない。
だけど、現実としてそれは無理だって事くらい理解してる。だから、手っ取り早く法的におれに拘束されちゃってよ。」


真奈美の目を見てそう告げると、おれの言葉が終わると同時に抱きついてきた。
それから真奈美は、大きな瞳を潤ませながら頷いてくれた。



「ありがとう!那智君、不束者だけどこれからもよろしくね!」





こうして、おれ達の長い春は新たな形で再スタートを切ることになったとさ。
めでたしめでたし!だね〜。







使





「てゆーか、真奈美ラッキーだよ〜。カッコいい旦那様だけじゃなく完璧なお義兄さんまで出来るんだからね〜!」

(……分かってたけど、やっぱりブラコンは直らないのね…。)




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