01
─フーシャ村─






「だからじいちゃん!おれは海賊王に…!!」

「何が海賊王じゃ!姉弟揃って『悪魔の実』なぞ食うたうえにふざけた口を叩きおって!!おまえらもエースも!!将来は海兵になるんじゃ!」

「じいちゃん、女が海兵なんかなれないでしょ!!」

「ぶぁっかもーん!!!女だろうが海兵にはなれるんじゃ!!」

「「いでででで!!」」



ルフィはほっぺたを思いっきり捕まれて、私は私で首根っこを捕まれて、無理やりコルボ山に連れて行かれた。


私たちが連れて行かれたのは山賊のダダン一味の隠れ家で、どうやらじいちゃんは私達をここに預けて鍛えなおさせようとしているようだ。






じいちゃんとダダンが話している時、突然ルフィに誰かが唾を掛けた。
ふとその方向を見ると、私と大して年が変わらなさそうな男の子がムスッとした顔をしてこちらを睨みつけていた。









「おぉエース。」



彼が私達の兄になるっていうエースか…。
顔はいいけど、うちの弟になんてことしてくれてんだこのヤロウ(怒)



後で殺ってやる。













「あいつがエースじゃ。年はクレアより1つ上、ルフィより3つ上。今日からこいつらと一緒に暮らすんじゃ。仲良うせい。」


じいちゃんはそれだけ言うと一人でさっさと山を下りて行った。

残されたルフィはエースを睨みつけ、エースはと言うとめんどくさそうに息をついていた。


















これが私達姉弟とエースの出会い。


最初の印象は決していいものではなかった。























その後ダダン達にご飯を少しだけ食べさせてもらっていると、エースが無言で家を出て行った。

それを追うようにルフィが外に飛び出していったから仕方なく私も一緒に行くことにした。




「おーい!!おれルフィって言うんだ!!ツバつけられた事おれはもう怒ってないぞ!!」

ルフィが少し上にいるエースに向かって一生懸命声をかけると、エースは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
たぶん、普通なら怒るような事をしたのに怒ってない、っていうのが信じられないんだろう。
そんなルフィはきっと、シャンクスの事を思い出しているんだろうな〜。




話逸れた。
その後も一生懸命自分に話しかけてくるルフィにイラついたのか、エースが木を蹴ると、その木が折れてルフィに向かって転げ落ちてきた!






「危ない!!」



私はとっさにルフィの前に出て、その直後に自分の口から炎を吐いたから、エースが薙ぎ倒した大木は瞬く間に炎に包まれた。





「!!!??」



エースが信じられないものを見たような顔をして私を凝視している。


そりゃそうでしょうね…。


だって私、悪魔の実を食べて、幻獣の王とも言われるバハムートに変身できるようになったんだもん。
エースもきっと、私の事を『化け物』って思ってんだろうなぁ………。














そんな事より、大木がルフィに当たらないように頑張ったけど、まだ能力に慣れてないから大木を燃やしきれなくて残骸が結局ルフィにぶつかった。


ごめん、ルフィ。


















「大丈夫?ルフィ。」

「おう、おれは大丈夫だ!姉ちゃん、エース追っかけよう!」




私の返事を聞く前にルフィは走り出していた。
……本当に自分の欲求に対して素直すぎる弟に呆れつつも後を追うと、吊り橋のところでエースがルフィに攻撃をしかけ、ルフィがバランスを崩して谷底に向かって落ち始めていた。














「ルフィ!!!」

「……っ!!!?」



考えるよりも先に、弟の後を追って吊り橋から飛び降りていた。
吊り橋からジャンプしてから気付いたんだけど…ルフィはゴムだから落ちても死ぬことはないんだった。


でも。

それでも。万が一下に折れた木か何かがあってそれに当たったらゴムでもひとたまりもないからキャッチしないと!






途中で龍の姿に変身して、右腕でルフィを握りつぶしちゃったり爪で刺しちゃわないように優しく掴めたから最悪の事態を免れる事に成功したけど、まだ能力に慣れていないのに(あ、2回目だよこれ言うの)フル活用したからか、ルフィを地面に置くと、限界が来て意識を失ってしまった。








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