日記妄想つめあわせ | ナノ

 07/02 赤い糸(銀時→妙)


※坂田が一人で喋ってるだけです


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なあ、お妙。ちょっと俺の話聞いてくれよ。すぐ終わっから。

俺さあ、赤い糸が見えんだよね。そ、赤い糸。運命の赤い糸ってやつ。それが見える。
嘘じゃねえよ。三十路近くてこんなしょーもねえ嘘ついてたら頭おかしいだろ。虚言癖かよ。まあいい。赤い糸だ。それが見える。見える前提で俺の話を聞いてくれ。

赤い糸ってな、糸なんだよ。いや、だから糸。糸。ただの赤色の糸。俺だって実際に見るまで赤色の糸がマジで繋がってるなんて思ってなかったからね。
これってさ、赤い糸が見える奴が過去にもいたってことだよな。そいつらが糸のことを誰かに伝えて、それが広まって。赤い糸は見えない奴らにも認知されているってわけだ。

その糸、小指にあるって言われてんじゃん。小指に赤い糸が結ばれてるって。あれ違うから。あー違うっつーか、小指だけじゃないってのが本当。

ほら、お前の手見てみ?パーの形にして指の根元を見比べてみろよ。なんかさ、他の指と比べてちょっと根元が細くなってる指ない?あんだろ?それそれ。そこに赤い糸が結ばれてんの。まあ、小指に多いのは事実なんだけどな。

どの指も同じに見える?
あーそれな、色々理由があんだけど、そうだな、赤い糸がまだ指に結ばれてないとかな。ガキに多いが大人にもいる。誰とは言わねーけど。プッ。

あとはそうだな、さっきとは逆に、糸が全部の指に結ばれてるとかな。そう全部の指に。赤い糸が何本も結ばれてる奴なんざ珍しくねえし。まあ、さすがに五本全部はあんまないけど。二、三本とか多いな。

あん?そんなに何人もの人を好きになるのかって?
違う違う、お前も世間に毒されてんな。まあ、見えねえ奴には分かんねえか。

赤い糸で結ばれた相手っつーのはな、大抵が異性同士なんだよ。男には女。女には男。たまに珍しい組み合わせもあるけど、ま、それは今はいーや。

で、その相手だけどさ、どういう相手だと思う?
意外や意外、赤い糸と好悪の感情って全く関係ねえのよ。つまり、お前がだいっきらい相手と繋がってる可能性もあるわけ。
その逆に、どんだけ仲睦まじい関係の二人だからって必ず赤い糸で結ばれあってるとは限らねえ。
運命ってやつに好き嫌いは関係ねえらしい。

なんつーの、赤い糸の相手ってさ、良くも悪くも自分の人生とか考え方とか、そういうもんに影響を与える相手なんじゃねえかな。
その結果そいつに惚れるとか、そいつと恋に落ちるなんてのは運次第ってわけ。それこそ運命だわな。

……そーだよ分かんねえんだよ。赤い糸が見えたって何の役にも立たねえ。
そいつに赤いのが見えて勘違いしてさ、なんか告ったりして振られてみ?銀さん立ち直れねえからね?
「別に銀さんのこと何とも思ってないわよ〜」なんて言われた日にゃ布団から出れねえわ。
こっちだってなんとも思ってねえから。お前のこと別に好きとかじゃねえから。ただなんか赤い糸が俺とお前の間に見えたから気になって言ってみただけだから……なんて言っても誰も信じねえだろ?赤い糸だぜ?
なんでンなもんが俺に見えんのかね。俺もな、あんなもん見えなけりゃ鼻で笑ってやんよ。赤い糸?はっ、乙女かよってな。

……でもな、オッサンだってたまには乙女になることだってあんのよ。
例えばさ、赤い糸で結ばれてる相手が、黙ってりゃ美人で暴力的なとこ除けば器量良しで自己中で馬鹿だけど心意気のある女だったら。なんか柄にもなく運命とか信じてみたくなったり。



お前のさ、ここ。
この指。
ここに赤い糸があんの。
で、その糸が、俺のここ。
この指。
ここと結び合ってんの。
俺のここと、お妙のここ。
いつからって最初からだよ、お前がでこっぱちだった頃から。マジで。

だからってお前に対して今まで通りと扱いは変わんねえよ?お前になんかしようとか思ってねえし。
思ってねえけど、この先俺らの関係がどうなるかっつーのはさ、運次第つーか流れ次第つーか。赤い糸云々じゃなくて、それは結局お妙次第じゃねえのって俺は思ってるっていう話なんだけどね。


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うっかり自分の指の根元を見ちゃった人。その指の赤い糸は私の指と繋がってます。ホントだよ!



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