日記妄想つめあわせ | ナノ

 08/03 うっかり流されない坂田(銀時と新八)


今度は坂田さんでうっかり流された姉上の続き。





「別にいーんじゃね」

そう言ってのけた雇い主の横顔を見て新八は改めて実感する。相談する相手を間違えたと。

「うっかりでも何でも決めたのはお前の姉貴だろ?じゃあ外野がごちゃごちゃ言っても仕方ねえだろ」
「そうですけど・・・」

多分、銀時が言ってることは正しい。本人が納得してるなら周りが口を挟むことじゃない。新八も分かっているのだが、動機があんなのじゃ納得できないのだ。

「あの女が決めたならそれでいいじゃねえか」
「でも」
「でもじゃねえよシスコン、いい加減姉離れしろ。いい機会じゃねえか」

恋人様々だな、と銀時が軽く言い放つが、新八には軽口を叩く余裕すらない。

「それとこれとは話は別です」
「そーかねえ」
「僕はうっかり流されて付き合うなんて反対ですから」
「じゃあ俺はさんせー」
「銀さん!僕は真面目に話してるんです!」
「おまえさ、姉貴に男ができるたびこんなふうに騒ぐつもりかよ」

めんどくさそうに首の後ろを掻きながら新八に視線を向ける。

「つーかお前、姉貴が選んだ男なら赤飯炊いて祝福するっつってたじゃん。じゃあしてやれよ。こんなとこでグチグチやるくれえなら釜いっぱい赤飯炊いてやれ」
「それは・・・」

そんなことを言った覚えは、ある。それは新八の本意だし嘘なんかじゃない。

「姉上が幸せになるのなら、そりゃ赤飯炊いてお祝いしますよ。でも、」
「幸せそうじゃないって?」
「・・・いえ。あの時と違います」

前にも一度、こんな事があった。姉は突然結婚宣言をして、家を出て行ってしまったのだ。最後に涙を残して。

「あの時は、姉上が無理してる感じだったし・・・泣いてたから」

だから新八は姉を取り戻すべく動いたのだ。それに賛同してくれた近藤と乗り込み、結局は銀時や神楽、土方と沖田まで来てくれた。その時と今は似ているようで、違う。

「今の姉上はいつもと同じです。泣いてもないし、愉しそうだし」
「じゃあお前の姉貴が急にバカなこと言い出して男と付き合い始めたってだけか。そんなのほっときゃいいんだよ」

銀時が口の端を少し上げて軽く笑う。

「てめえの姉貴を信じてやれよ。あの女、筋金入りのバカだけど、男の趣味はそう悪くないぜ」
「父上や一兄みたいな人だったら僕だって反対しません・・・」

新八はぐっと唇を噛んだ。そう言われてしまえばその通りなのだ。姉はにこにこ笑っていて、新八の心配などどこ吹く風で、普段通りに過ごしている。分かってる、分かってるけど、どうしても胸にあるモヤモヤが消えない。

「騙し騙されたの関係じゃねえし、お互い納得済みなんだろ?」
「そう言ってました・・・」
「じゃあもう何も言えねえわな。そいつと姉貴、二人の問題だ」

姉の相手の人に会ったことがないから、こんなにも複雑な気持ちになるのだろうか。

「とにかく外野のお前は何もできねえってこった」

がっくりと肩を落とす新八に、でもな、と銀時が続ける。

「もしもこの先、あの女が後悔して泣きべそかくようなことがありゃあ、うっかり流されて男と付き合ってんじゃねえよってげんこつの一発でもくれてやれ」

お前ができねえなら俺がやってもいいけどよ、と。


終わる


多分、坂田は姉上が笑ってたら何もしないと思います。柳生編の時だって、姉上が真から九ちゃんと一緒になりたいと思ってたら行かなかったと思う。姉上が泣いてたから行ったんだと思う。
うっかり〜って聞いても姉上が笑ってる限り止めないし反対もしないけど、泣きべそかいて後悔してたらげんこつですよ。これで分かったろ?うっかり流されて男と付き合うなばーか、て言って。


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