日記妄想つめあわせ | ナノ

 04/30 神威が姉上のおっぱいを揉んだら


※ぽやーんと姉上のおっぱいについて考えていた時、誰なら姉上のおっぱいを揉めるか、神威ならいけるんじゃない?と閃いたので書いてみましたな話。


◇◇


「ばあ」
「っ!!」

突然目の前に落ちてきた何かに妙は息を飲んだ。心臓が破裂しそうだ。人は不意をつかれると声もでないらしい。それがよく分かった。

「ざんねん」

逆さまの顔が妙を見ながら喋る。正確には落ちてきたというより、木にぶら下がっているという方が正しいだろう。

「あんまり驚かないんだね。もっと、きゃー!とか言うと思ったのに」
「───神威さん。そんなことの為にわざわざ木にぶら下がったのですか」
「まあね。暇だし」
「私を暇潰しに使わないで下さい」
「えー、でも楽しかったでしょ?」

神威は愉しげな声をあげながら軽く身体を揺らし、ふわりと身体を回して音もなく着地した。羽が舞っているような軽やかな動き。いつみても見事だと妙は感心する。

「驚かないなら笑ってほしかったな」
「そんな、笑えませんよ。笑えないほど驚いてるんです」
「ほんと?」
「ええ、今だって心臓が痛いくらいですから」

自分の胸に手をあてて笑った妙に、神威がほんの少し表情を変えた。

「心臓がいたいの?」
「驚いたら誰だって胸がどきどきするでしょう?」
「ああ、そういう意味か。キミが死んじゃうのかと思った」
「・・・そんな簡単には死にませんよ」
「そう?まあいいけど」

神威がさらりと口にした言葉に妙は内心どきりとする。神威にとって生き死にはごく身近な存在なのだ。こういう部分で妙は神威との距離を実感する。

「さわらせて」
「え、」
「妙の心臓」

それは唐突すぎて断る間もなく。神威の手のひらが妙の胸の下に押し当てられた。遠慮のない触り方だ。

「あーほんとだ。ドキドキしてる」

面白いものでも見つけたように神威が明るい声をあげた。ぐっと強く当てた手のひらで胸の奥の鼓動を感じる。命の音。血の音。生の音。そして、ふと気になってしまった。

「妙のここ」

神威が顔を上げる。いつもの無邪気な顔だ。

「ここ?」
「小さいね」

着物の上から妙の胸の下辺りに触れていた神威が、その上にある膨らみを指差していた。

「オレが吉原で見た女達はみんなもっと大きかったよ。大きさって女によってこんなに違うんだね」

神威の言葉に変な響きはない。単純に気になったから聞いてみただけなのだろう。いつもなら妙の怒りに触れる話題であるはずなのに、あまりに神威が普段通りだから、妙は「そうですね」と頷いただけだった。

「オレはこっちの方がいいな」
「こっちですか」
「大きいと邪魔じゃない?」
「邪魔と思うほどありませんし・・・」
「だから闘いやすいよね?阿伏兎が女の胸は闘いとは関係ないって言うけどさあ、妙はどう思う?」
「さあ・・・」

阿伏兎というのは神威の傍にいたあの男だろうかと妙は記憶を辿る。彼もまた人ではない。人ではない彼らが考えることなど分からない。

「ふはっ!やっぱり妙の小っちゃいね!ちょっと触っていい?」
「あ、待ってそれは、」
「待たないよ」

心臓ではなく胸を掴んだ。指先が形を確かめるように動く。着物の下に確かにある感触。柔らかな膨らみが神威の手に合わせて形を変える。

「ふわふわしてる。小さくても男とは違うね」

神威の手付きに何かしらの色のようなものはない。本当にただ確認したいだけのようだ。

「妙のここの方がいいよ。もっと触ってたいかも」

にこりと笑った神威。

「吉原の女はここに男の顔や手を乗せてたよ」

その言葉の意味することに気付かぬほど妙は子どもではない。神威もきっと、分かって言っているのだろう。それが微かに細めた目を見て分かった。

「妙は誰かにそうさせたりしてる?」
「してません。されたこともありません」
「していい?」
「だめ」
「えーひどい」

軽い言葉で笑う神威に妙は内心の恐れを隠す。無邪気な子どもはただの子どもではない。彼が本気なら、妙に拒絶はできないからだ。力で屈服させることを神威は面倒だと思いこそすれ、悪いことだとは思わない。それもまた種族の違いなのだろうか。胸にある手は、心臓を掴んでいるようだった。


おわり


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