雨オレ | ナノ
- にっき! -





2023 1019

沖田と妙「夏から秋」

視線を横に流すと、手を振っている女がいた。

「ああ、姐さんか」
「沖田さん。お誕生日おめでとうございます」
「はあ」

笑顔で近付いてきた妙を沖田は眺める。その笑顔に裏も他意もなさそうだ。

「おいくつになったのかしら」
「姐さんと同級生ですぜ」
「あら、童顔なのね」
「あんたもな」

口が減らないのはいつものことだが、それにしてもと沖田は思う。

「誕生日祝うの遅くねぇですか」
「そうかしら」
「遅せえだろ」
「うーん、ギリじゃない?」
「季節越えてんぜ」
「もうすっかり秋ねえ」

夏は色々と忙しかったの、と悪びれずに言い訳する妙を見て、この女の誕生日は年明けに祝ってやるかと心に決めた。
覚えていたらの話だが。


********

祝うの遅くても、お互いの誕生日は知ってるというのが萌えツボぎゅんぎゅんポイントです。
沖やん!誕オメ!




2023 0523

銀時と妙「同じ服」

「この暑さ、異常ですね。なんだかおかしいわ。ねえ銀さん」
「この状況もおかしくね?」

え、と妙が振り返る。

「いやおかしいだろ。なんでお前、俺の服着てんだよ。銀さんのファンかよ」
「……え?」
「その顔クソむかつくわ、鼻フックすんぞコラ」
「まあ。こわいわ銀さん」
「はあ? そりゃこっちの台詞だ。昼寝してる間に俺の服着て寛いでる女がいる方がこえーだろうがよ」

そう、いま妙が着ているのは銀時の服。黒の上下、そして白い羽織。律儀に片腕を出しているところにリスペクトを感じそうで感じない。なぜか客観的に見るとちょっと恥ずかしい。

「似合いませんか?」

妙がその場でくるりと回る。

「私としては、わりと着こなしてる方かと」
「似合うとかの話はしてねーよ」
「あ、ここ。片方だけ袖を通さずに腕をだしてますよね。いつもなんの為にだしてるんだろうと思ってましたけど。実際やってみるとしっくりくるというか、これしかないっていうか。やっぱり片腕をだすのって大切だなって」
「それ銀さんの長所兼黒歴史だから真面目に語るの止めてもらえる?」


********

久々に書いたらわけわかんない会話に。難しい〜!
姉上が銀さんの服着てるのとか寛いでたのとか、理由色々考えてたけどまあいっかって(笑)





2021 1209

沖田と妙「恋ばな」

「沖田さんって恋人はいらっしゃるの」
「さあ」
「さあって。まあいいわ。そうねえ、沖田さんは、」
「童貞かって?」
「それは訊いてません」
「じゃあこの話は終わりだねィ」

ぱりん、と煎餅を折る音が部屋に響く。

「手強いわね」
「人の恋愛遍歴なんざ面白いかね」
「それこそ人によるでしょ」
「姐さんの話なら聴きやすよ」
「沖田さんだから面白いんじゃない」

妙が沖田に恋ばなを振ったのはほんの気まぐれだった。案の定、のらりくらりとかわされて話は続かない。

「姐さん俺はね、その恋ばなってやつが死ぬほど嫌いでねィ。聞くのも耐えらんねェ、退屈すぎて鳥肌がたつ」
「でも実際死なないでしょ」
「あんた懲りねえな」
「偏屈な男相手は慣れてますから」
「確かに」
「今なら無料のホットグリーンティーでお妙ちゃんと話せますよ」
「この緑茶にそんな価値がありやしたか」
「ほらほら、言っちゃいなさいよ。総ちゃんの恋ばな聴きたーい」
「今日は特にうぜぇな」
「偏屈な男相手は飽きたのよ」
「お疲れですねィ」
「疲れてます。とても疲れてます」
「仕方ねえな。恋ばなしやすか。順番に」
「ほんと? いいの? じゃあお茶のおかわり用意してきまーす」
「元気じゃねえかお妙ちゃん」


*******

とにかくこの二人が話してるのが好き。ずっと話しててほしい。特に心に残らない、でもなんか楽しい。そんな話をずっと。
あー沖妙!好き!




2021 1209

沖田と妙「ハレバレ」

※「笑った顔なら〜」の続き、かも。




多分、そうだろうなと妙は思っていた。

「沖田さんは覚えていらっしゃるかしら。私の頬のこと」

久々に顔を合わせた日、妙は確かめたいことがあった。ああ、と思い出したように沖田が言う。

「あの女にまた何かされやしたか」
「手土産持って謝罪に来ましたよ」
「ふうん。まあ及第点か」

及第点。その言葉で、やはり沖田が何かしら手を回したのだろうと確信する。

「あの方、いきなり来たから驚きました。すごく怯えてるし」
「ちゃんと謝ってたかィ」
「もちろん。逆にこちらが申し訳ないくらい反省されてましたよ」
「姐さんが申し訳なく思う必要ねぇですぜ。そいつの自業自得。ざまぁねえな」
「あなたね・・・」

溜め息しかでないとはこの事か。まさか本当にやり返していたとは。

「女性相手に暴力沙汰はありませんよね」
「指一本触れてやせんぜ」

それであの怯え方なのが逆に恐い。

「一体どう脅したのやら」
「懇切丁寧に注意しただけですぜ」
「注意、ね。どんな感じだったのかしらね」
「やってみやしょうか」
「遠慮しておくわ。でも沖田さん、」
「なんですかィ」
「ありがとうございました」

口元に笑みを浮かべ、妙は頭を下げる。


「正直、スッとしました」

痴話喧嘩に巻き込まれ頬を叩かれたのは運が悪かったのだと、妙は自分を納得させていた。そのつもりだった。

「あの方の怯えた様子がね、可哀想だとは思いつつも胸が軽くなるというか」

本当は腹が立っていたのだ。誤解の末に痴話喧嘩に巻き込まれ、そのうえ頬を叩かれた。理不尽にも程がある。しかも痛かった。

「沖田さんの言葉を借りるならそうね、自業自得。ざまぁねえな、かしら」

あまりにもすっきり晴れ晴れとした妙の笑顔に、沖田は珍しく表情をやわらかに崩した。


*******

ストックにあった書き途中の文を使ったけど、久々に沖妙!楽しい!一生付かず離れずの距離感で仲良くしてね。





2020 0619

妙と新八「ねこちゃん」

仕事を終えて帰宅した新八は、出迎えた妙になぜか奥の部屋へと案内される。

「ここなんだけど」
「客間ですよね」
「この部屋でねこちゃんを保護するから」

ねこちゃん、と新八は呟く。

「保護?」
「二、三日くらいかしら。元気になったら黙って消えそうだけど」
「姉上」
「なあに?」
「ねこちゃんとは」
「ここにいるじゃない」

妙が指差した先には、なんだか見たことのある男が寝ていた。片目を包帯で覆った黒髪の男。枕元には派手な着物が畳まれ、その上に刀が置かれていた。
薄々感じていたが、これはねこちゃんではない。

「姉上、ついに頭がおかしくなりました?」
「失礼ね。きっちり正気よ」

妙の笑顔は微動だにしない。

「ねこちゃんのこと、銀さんや神楽ちゃん達に言っちゃだめよ? 心配させちゃうからね」
「人に言えないような相手を連れて帰ってこないでください」
「目の前で倒れたのに放っておけないでしょ。お医者様にみせるわけにもいかないし。新ちゃんも面倒ごとは嫌でしょう?」
「姉上、それ脅しです」
「お願いしてるのよ」

妙は平然としているが、これは異常事態だ。それを分かっているから他言無用だと言ったのだろう。そもそもなぜ大人しく寝ているのか。怪我をした野良猫を一時保護した感じなのか。そう思えばなんだか普通な気も・・・

「・・・いやいやいやあっぶね! なんか勢いで納得しかけたけどヤバいから!! これ保護しちゃいけないやつぅぅぅ!!」
「いきなりどうしたの。ねこちゃんにテンションあがっちゃったのかな。ふふ、新ちゃんもまだまだ子どもね。かわいい」
「えへへそうかな、っじゃねえよ!! そもそもなんでこの人が姉上の目の前で倒れる事態になったんですか!!」
「さあ、分からないわ。元々調子が悪そうだったし、たまたま持ってた手作りの卵焼きを食べさせたけど体調は戻らなくて倒れちゃうし」
「それ!! 原因それ!!」

大人しく眠っている理由が分かり納得するが、目覚めたあとはどうしようかと、新八は大きな溜め息を吐いた。




妙と新八「ねこちゃん」
********

ねこちゃんは高杉さんです。高杉さんをねこちゃんと呼ぶ姉上が浮かんだので。
自分でもよく分からないものが書き上がってしまう時があるけど、今がその時。




2020 0612

南戸と妙「不可抗力」

立ち姿の綺麗な女を見かけた。
どことなく育ちの良さそうな佇まいは、昨夜南戸に胸をすりつけてきた相手とは真反対の雰囲気だ。
いつもの癖でさりげなく観察し、そのままさりげなく目線を逸らした時。

「南戸さん、でしたよね」

名前を呼ばれたことに驚いたものの、その声音に聞き覚えがあった。

「ああ、あんた、あの嬢ちゃんか。若の」

随分と省略した物言いだったが、女にはそれで通じたのか軽く頷き微笑んだ。

「はい。その節はお騒がせしました」

綺麗な言葉遣い。声が若い。確か見た目より子どもだったな、と思い出す。

「お妙ちゃん、だったか」

誰かがそんなふうに呼んでいた。

「元気? まあ、元気そうだけど」
「はい。南戸さんは、あれからどうですか」

彼女が嵐のようにやってきて、散々掻き回して去って行ったのは随分と前のことだ。あの時は痛い目にあったと苦笑いを浮かべる。実際、南戸はしばらく動けなかったのだ。しかしそれは今言うことではない。

「まあまあ元気でやってるよ」

そう伝えれば、彼女はどこか安心したように微笑んだ。
普段なら礼儀のように口説いてみるが、さすがにそれはやめた方がいいだろう。色々と面倒ごとになりそうだ。それならばと、少しばかりの好奇心を向けてみた。

「そうだお妙ちゃん。あの時のことでちょっと気になってることがあってねェ」
「気になってることですか」
「そうそう。あのさ、あの時乗り込んできて暴れまわったやつらな。あれのどれが本命?」
「・・・え?」
「いや、なんの気もねえ女のために乗り込んでこねえだろ。まあ、全員とは言わねえが。で、誰」
「誰と言われても。そういうのではないですよ」
「いいからいいから」
「いえほんとに。それにあの中の一人は弟ですし」
「許されない秘密の恋か。泣けるねえ。ああそういや女の子もいたな。女を幸せにできるのが男とは限らねえ時代ってこった」
「だから違いますって」
「他にも癖の強そうなやつばっかりだったなァ。うちの若といい、お嬢ちゃんは変わりもんに好かれやすいのかねぇ」
「知りません」

南戸を見る妙の表情が徐々に変わっていく。呆れたように溜め息を吐く姿は案外色っぽくて、わりと好みだなと思ってしまったのは不可抗力だ。



南戸と妙「不可抗力」

********

南戸さんは姉上を気軽にナンパしてほしい。
恋愛感情はないけどそういう対象として見てるよ、というタイプの男ってギンタマには少ない気がします。下ネタは多いけど。だから南戸さんは貴重。下半身チャラ男が姉上と仲良くしてて周りがハラハラしててほしい。




2020 0610

あやめと妙「お菓子」

「私は信じないから」

と、猿飛あやめに言われたけれど。

「はあ」

としか、志村妙には言いようがない。

「なによその返事は」
「お気にさわりました?」
「お気にさわったわ。反省して」
「反省はしませんけど、ごめんなさいね」
「まあ、それはいいわ」

それは、と強調すると、あやめは同じ台詞を繰りかえす。

「私は信じないからね。お妙さんもそうでしょ?」
「そう言われてもねえ」
「あなたわかってるの!?」

あやめが勢いよく立ち上がる。

「銀さんに恋人ができたかもしれないのよ!」

そうなのだ。こんな理由を引っ提げて、あやめは朝早くから妙を訪ねて来たのだ。

「あなた何か知らないの?」
「知りませんよ。初耳です」
「銀さんに恋人よ!?」
「私には関係ないもの」
「そんなわけないでしょ」
「そんなわけあります。さ、そんな恐い顔してないで座ってくださいな」

お菓子でもどうぞ、と差し出す。

「猿飛さん。私じゃなくて銀さん本人に確認したらどうですか。誤解かもしれませんよ」
「訊いてみたわよ・・・これ、いただくわね」
「どうぞ、美味しいですよ。それでなんて?」
「ん、ほんと、美味しい・・・そうね、銀さんには溜め息吐かれたかしら。うるさいって追い出されたわ」
「そうですか・・・あ、まだまだありますよ。どうぞお食べになって」
「悪いわね。今度お礼をするわ」
「楽しみにしてます」

散々愚痴って、世間話もした去り際、綺麗な風呂敷包みを妙から渡される。

「あのお菓子、銀さんも好きなんですよ。一緒にお食べになったら? 落ち着いて話したら、溜め息以外の返事が聞けますよ。きっと」
「お妙さんあなた・・・銀さんをお菓子で買収しろってことかしら。うまくいく予感しかないわ」
「ふふ、それでこそ猿飛さんですね」
「じゃあ、行ってくるわね」

妙に見送られながら向かうのは万事屋。
数日後、手土産片手に現れた上機嫌なあやめを、妙は良かったですねと迎え入れた。



あやめと妙「お菓子」

********

さっちゃんと姉上の関係が好きで好きで。
銀さんと姉上の関係を一方的に疑ってるさっちゃんと、呆れてもう相手にもしてない銀さんと姉上が好きです。否定すればするほど疑う。

二人に別の恋人ができたとき「なんでお妙(銀)さんじゃないのよ!!」って言いそう(笑)




2020 0608

ホストの金さんと妙「ずるいおとこ」

「これで一回、どう?」

ホストから差し出されたアイスは特別好きなものではない。

「それ、あなたが好きなアイスですよね」
「知ってるってことは、やっぱ俺のこと好きだろ」
「あなたがよく食べてるからでしょ」
「まあ。食ってるな」
「ですよね」

せっかくなので妙はアイスを受けとる。アイスに罪はない。

「で、オッケーてこと?」
「あの申し出ならノーですよ」
「食ってんじゃん」
「食べないと溶けるじゃない」
「せめてエロい食い方しろよ」
「あー、今日も暑いわ」

季節感のない日差しに小豆アイス。ホストの戯言も風景のひとつだ。

「あなたの言葉って風みたい」
「爽やかで心地好いってやつな」
「軽すぎて流しやすい、ってこと」
「ホストかよ」
「ホストです」

軽くて軽くて、すぐに逃げ場がつくれてしまう。そうしているくせに、また逃げられたと軽く笑う。妙のせいにする。

「ずるいひとですね」

だからアイスを食べてしまうくらい、許されると思うのだ。



ホストの金さんと妙「ずるいおとこ」
********

好きな二人なのでまた書いてしまった。
この二人はベンチに座って話してるイメージです。
夜の生活をしているのに昼間の彼女に会いに行くくらいには彼は本気だし、彼が来れば毎回ベンチに座って話すくらいには心を許してる彼女だけど、彼はあと一歩踏み込んでこない。だからいまいち彼女は信用できないでいる。そんな感じの二人です。

でもくっついてからえっちまでは早いと思います(妄想)




2020 0602

男(モブ)と妙「綺麗だと思います」

※商店の店番してるモブ男(多分チェリオ)


あの道場のお嬢さんは有名人で、この町でお嬢さん知らない人はいない。
やっかみに近い噂話もあるが、自分を含め大半の人は好意的だった。

「あの奥の、いただけるかしら」

お嬢さんは妙と云う名前で、皆も自分の親も「お妙ちゃん」と呼んでいた。
しかし自分は上手く呼べず、いまだに志村のお嬢さんと呼んでいる。

「あ、はい、ありがとうございます!」

自分の前を横切った手に少し見惚れてしまった。白くて艶やかで、動く姿が綺麗だ。

「お待たせしました!」
「ありがとう」

受け取るとき、かさりと指先が触れた。綺麗な指先はいつも荒れていて、だからこそ綺麗なんだと思う。

「女らしくないでしょ」

ふわっと笑う気配がした。

「私の手、かさかさしてるから。道場の手入れや家事をやってると荒れちゃって。どうしてもこうなっちゃうのよ」
「あ、いや、すみませんっ」

自分が彼女の手を凝視していたことに気付いて申し訳なくなった。誤解させてしまった。それがとても悔しい。

「綺麗です!」

思わず言ってしまった。

「綺麗だなっていつも思ってて、荒れてるのは志村のお嬢さんが一生懸命、丁寧に生きてるってことだし、そういうのいいなって」
「まあ、本当に? お世辞でも嬉しいわ」
「お世辞じゃないです! 好きです!」

勢い良く言いきったあと、少し驚いた顔のお嬢さんを見て自分の台詞を思い返した。一体なんの告白だ。

「あ、あ、すみません! 変な意味じゃなくて、もっとあの、手が綺麗って意味で」

赤面して、慌てふためいて。恥ずかしくてたまらない。好き、とか。なんだそれ。

「ふふ。ありがとう」

彼女の笑顔がいつもより優しく見えた。
口元にあてた手がやはり綺麗だった。
名前を呼ぶ度胸もない自分には、彼女の笑顔だけで充分だった。



男と妙「綺麗だと思います」
********

久々です!!
お久しぶりです!!
再開一発目はモブ妙です!モブです!誰だよ!

前にも書いた気がしますが、モブ男から見た姉上というのが大好物でして。久々に書くから書きやすいものから〜ってやったらモブ書いてました。多分チェリオです。






2020 0123

おりょうと新八と妙「立ち塞がれ!!」

「あーいたいた!」

と、姉の友人であるおりょうに声をかけられたのが数分前。今は腕を引かれ歩いている。

「すぐに会えて良かったわー」
「はあ」
「だってねえ、やっぱりお妙には新八くんじゃない?」
「そうですね」

おりょうの勢いに押され肯定したものの、なにがやっぱりお妙には新八くんなのか見当もつかない。

「おりょうさん、一体どうしたんですか」
「今からお妙のところに連れて行くから、新八くんは頑張って戦うのよ」
「たたかう?」
「お妙、いま口説かれてるのよ」
「えっ!?」
「このままだとお嫁さんにされるかも」
「お嫁っ、は?」

予想外のことに変な声がでたが気にしている場合ではない。

「どどどいうことですかっ」
「新八くんったら、驚いた顔もお妙に似てるのね」
「おりょうさん!そういうことじゃなくて!」
「ああ、お妙ね。あの娘、ちょーっと面倒な男に好かれちゃってねえ」
「姉上は大丈夫なんですか!?」
「大丈夫よー。きっぱりと言い切ってたから。今は弟との生活に満足しているので結婚は考えられません、だって」
「姉上……」
「満更でもない顔ね」

口調は呆れながらも、おりょうは楽しそうだ。

「それで、僕はどうしたら」
「だから戦うのよ。相手も一筋縄じゃいかないからね」
「戦うって」
「そりゃあれでしょ。ばーんと立ち塞がって、俺の姉上になにしてんだー!って。誰の許可を得て口説いてんだー!って」
「おりょうさん、楽しんでますよね」
「痴話喧嘩は楽しんだもの勝ちよ」

腕をひかれて進んだ先に、人だかりが見えてきた。多分あの輪の中に妙がいるのだろう。

「さてと。新八くん、お妙のことお願いね」
「がんばってきます」

立ち止まったおりょうが軽く手を振る。ここから先は新八に任せるつもりらしい。

「無理そうなら合図送ってちょうだい。万事屋の旦那にでも連絡するから」
「いや、銀さんの出番はないです。僕が姉上を護りますから」
「あら素敵。やっぱりお妙には新八くんね」
「そうですよ。だから僕は立ち塞がってきます! そう簡単に結婚は認めませんよ!」
「さすがね〜」



おりょうと新八と妙「立ち塞がれ!」
********

また結婚の話書いてる(笑)
ギンタマの最終回で姉上が結婚しないか心配で心配で。そのエンドだけは勘弁してくれと思っていたので安心しました。
安心したので、姉上の結婚に難癖つける新八ばかり書いてしまってます(笑)

おりょうちゃんと新ちゃんの絡みも好きで、近すぎない距離感が最高だなって。お互いのことを姉上を通して知ってる二人なんですよね。二人だと共通の話題が姉上だから、なんかたまに話してたらいいなーって。


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